クリスマスだよ、全員集合│西山繭子の「女子力って何ですか?」

西山繭子の「女子力って何ですか?」

Writer

西山繭子

#017

クリスマスだよ、全員集合

2014-12-22 09:53:00

 こにゃにゃちわ、早いもので今年最後のコラムです。年々あっという間に時間が過ぎていくので、そろそろ夏の旅行の計画でも立てようかと思うほどです。やっぱり新島でfineスナップに載るプランでいきましょうかね。とはいえまだ今年のビックイベント、クリスマスが待っております。サンタもトナカイもかかってこいや!

 クリスマスというのはいくつになってもウキウキします。女子力高い発言でしょ?私のiTunesには【クリスマス】というプレイリストがありまして、それを12月に入った頃にiPodにぶち込みます。それを聴きながら脳内で幸せクリスマスをイメージしながら街を歩くのです。山下達郎さんの『クリスマス・イブ』を聴きながら駅構内を牧瀬里穂さんばりに小走りしたり、ニューキッズオンザブロック(またかよ!)の『Last Night I saw SantaClaus』を聴きながら「サンタさーん」と夜空を見上げてみたり、マライア・キャリーの『All I want for Christmas is you』を聴きながら、ドラマ『29歳のクリスマス』ばりに「あーあ、20代最後のクリスマスか……」って、もう36歳!何言ってんの、私!と、こんな風にクリスマスシーズンを楽しんでおります。ここ近年、クリスマスは恋人たちのイベントとしての色が濃くなっていますが、それはそれで素敵なことだと思います。私はクリスマス当日にイルミネーションが綺麗な場所等、恋人たちが賑わっているスポットにふらりとパトロールに行くのが大好きです。プレゼントを手にした幸せそうな女の子の笑顔がキラキラと輝いています。男の財布はスカスカと嘆いています。ああ、街よ!メリークリスマス!そして、私はいつものようにiPodを耳に。この時の選曲がポイントです。ここはあえて幸せソングを選びません。鉄板は辛島美登里『サイレント・イブ』、B’z『いつかのメリークリスマス』、稲垣潤一『クリスマスキャロルの頃には』の3曲です。ひとりぼっちでこれを聴きながら幸せそうな恋人たちを眺め、自分をどん底に突き落とすのです。女子力は低いが妄想力はエベレスト級の私。数年前のクリスマスにトナカイに突かれて死んでしまった恋人(架空)に想いを馳せると、目には涙が浮かんできます。あの前日、私は自慢の美しい髪の毛を売って彼に時計の鎖を、彼は大切な時計を売って私に素敵な髪飾りを……。霞む視界の中、しゅっとマッチを一本すると目の前には美味しそうなワイルドターキーが……。あ、ターキーか。と、まあ私の妄想力はクリスマスにさらにパワーアップするのです。

 もちろん36年も生きていれば彼氏と過ごしたこともありますよ。えっへん。遠い昔の記憶だけど。以前、クリスマスイブに横浜の観覧車に乗ったことがあります。あれ、混んでいる時って相乗りになるのご存知ですか?見知らぬカップルがあの空間で相乗りですよ。気まずくないはずがない。私たちが乗り合わせたカップルはその夜、インターコンチネンタル・ホテルに部屋をとっていたようで「部屋、あの辺りだね。すごーい、こんなに高くから見下ろしてる」と甘い会話をしていました。するとそれを耳にした私の彼が突然「なあ、今度ヘリコプター乗ろうぜ」とわけのわからないことを言い出しました。私が「は?」と言うと、「乗ったことないだろ?」と何故かキレ気味。すると今度は乗り合わせたカップルの彼氏が「クルージングってのも良かったね」と彼女に言いました。「ヘリコプター乗ったら、この観覧車も上から見えるぜ」「クルージングしながら夜景見るのもいいよね」、対抗する男たち。私と彼女は小さく目配せして苦笑いを浮かべるしかありませんでした。男ってバカで愛おしい。その後、彼にヘリコプターの話をしても「繭ちゃんは乗り物酔いするからヤメた方がいい」の一点張りでヘリコプターに乗ることなくお別れしました。私、彼の前で乗り物酔いなんてしたことなかったけどなあ。こんなことがあるからクリスマスは友だちとわいわい過ごす方が好きです。ここ数年は毎年、女優の鈴木砂羽さんのお宅で過ごさせてもらっています。砂羽さんが美味しい料理をいーーーっぱい作ってくれて、シャンパン吞んで、ワイン吞んで、たくさんの人たちとわいわい騒ぐのです。一人2000円程度で用意するプレゼント交換も楽しみ。男女ともに喜んでもらえるプレゼント選びって結構大変なんですよね。女子向けのものはいくらでもあるけど。以前私は燕三条で作られている高級鼻毛カッターを選んで持って行きました。女もガンガン鼻毛出るからね。私は女優だから出ないけどね。確かそれが当たったのはチュートリアルの福田さん。だから福田さんはそれ以来、鼻毛が出ていないはず。それまで出ていたかどうかは知りませんが。忙しい砂羽さんなのに、クリスマスに毎年こんな楽しい宴を開いてくれて本当に感謝なのであります。今年でもう5年目……。毎年参加している皆勤賞の私、砂羽さんに「せめて私が還暦になるまでは続けてね」とお願いしています。今年のプレゼントは何を選ぼうかなー。ヘリコプターのラジコンとかかな。写真は去年のクリスマスパーティーです。

image2

最近のコラム

西山繭子さんINFORMATION

日本の女優、作家。東京都出身。
大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。
テレビドラマを始め、女優として活動。
最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。
著書に『色鉛筆専門店』『しょーとほーぷ』『ワクちん』などがある。

 
西山繭子さんの新刊
【バンクーバーの朝日】
~フジテレビ開局55周年記念映画 公式ノベライズ~
戦前のカナダ・バンクーバーで生き抜く
青年たちの葛藤・奮闘・友情を描いた最高傑作!


バンクーバーの朝日
西山繭子
マガジンハウス文庫
320p 620円(税別)


オフィシャルサイト→FLaMme official website