女子会│西山繭子の「女子力って何ですか?」

西山繭子の「女子力って何ですか?」

Writer

西山繭子

#021

女子会

2015-02-23 13:00:00

 こんにちは。『テラスハウス』に住んで「おばさん」というあだ名で呼ばれる夢を見た西山です。それでも『テラスハウス』に住みたい西山です。西山です、西山です、西山です……(ヒロシ風)。ここ最近、コラムを読んでいる友人から「女子力あげる気ないだろ」とちくりと言われることが多いです。そんなことないのになあと思いつつ、いくつかコラムを読み返してみると、もはや女子力どこいった?という回もちらほら。これは今一度、己を戒め、女子力を向上させてライバルの有村架純ちゃんに勝たねば!ちなみに架純ちゃんは同じ事務所なのでサインもらえます。女子力を高めるために必要不可欠なもの。それは女子会であります。私は創作ブログというトリッキーなブログをやっているのですが、その参考にと今をときめく芸能人のブログを読むようにしています。美人モデルからそうでもないモデルまで、女子力が高そうな人ほど、頻繁に女子会を開催しています。女子会、いつやるの!? 「先週でしょ」(今じゃないないのかよ)

 ということで先週、女子会に行ってきました。メンバーは第1回目のコラムでも書きました中高の同級生。独身率が異常に高い仲間たち。でも第1回目に書いた時よりも既婚者が2人も増えました。それでも今回集まった11人の独身率は6割を超えている。まだまだ先は長い。というか、ここで終了の可能性も無きにしもあらず。子どももいるのでホームパーティーがベストということで、これまでは4歳児のママであるMちゃんの家、その次は1歳児のママであるMの家。そして今回はKぴょんの家となりました。でもここでまずおかしなことが一つ。Kぴょん、実家です。私たちの年齢でホームパーティーというと自分が築いている家族の家でというのが普通ですが、私たちは少しだけ普通じゃないので「わーい、Kぴょんの家楽しみ」とドカドカと人の実家に集まりました。実はKぴょんの家、都心にある大豪邸で部屋数は数えられないほど。エレベーターもある上、キッチンやお風呂も各フロアにある。独身組はよく「このまま一人だったら、老後はみんなでKぴょんの家に住もうよ」と笑いながら話すのですが、たぶんみんな半ば本気。だから今回は来たる老後の下見も兼ねてKぴょんの家に決定しました。女子会の数日前にはKぴょんから「サンドイッチ注文したよ。お母さんが」「みんなが来るから掃除したよ。お母さんが」とメールまで届く始末。しかし私たちは悪びれることもなく「わーい!Kぴょんのママありがとう!」と小学生のような返信。女子力というより、もはや人間としての問題。

 当日、Kぴょんの家のテーブルにはそれぞれが持ってきた料理が並びます。保母さんをやっているMちゃんは豚肉をローズマリーで何かした美味しいものを持って来ましたが、お母さんに作ってもらったんじゃないかとみんなで予想。何故ならMちゃんは普段、朝食・お母さん、お弁当・お母さん、夕飯・お母さんという三食お母さんのツワモノだから。ちなみに彼女は先日、酔っ払って家の前で寝ているところを朝もやの中お母さんに発見されたそうです。ロシアだったら死んでたね。ジャイアンツファンのYが持ってきたのは冬瓜と海老を何かした美味しいやつ。「料理人の友だちに頼んだ」というその料理は完全にお店の味でした。そう、以前も書いたように持ち寄りの料理は『市販でもばばあでも可』というルールがありまして、自分で作らなくてもOKなのです。Kちゃんは大量の唐揚げを買ってきました。Kちゃんは高校時代、4時限目の授業で寝ていて起きたら5時限目だったことがある眠り姫。昼のお弁当の時間をすっ飛ばしてたってすごい。その他のメンバーはちゃんと手作り。わりかし料理はみんなやる方で、ここは母校の校風である良妻賢母を守っています。妻でもなけりゃ母でもない女ばかりだけど。私は失敗の恐れがないポテトサラダを持って行きました。みんなの料理は本当に美味しいのです。でもね、美味しければ美味しいほど「ちゃんと料理もできるのに、どうして結婚できないんだろうね」と独身組は暗くなってしまう。「私たち、みんな良い子なのにね」「うん、だから大丈夫だよ!」「きっと幸せになれるよ!」端からみたら完全に自己啓発の会合。でもアメブロで見かけるモデルちゃんたちの女子会と同じ様にビューティー、ファッション、恋愛といった女子力の高い会話もきちんとしますよ。ビューティーは「白髪染めしてる?」、ファッションは「これ、ウェストがゴムだから楽なの」、恋愛は「そもそも付き合うってどういうこと?」……あああああ。ダメじゃん。もしこの女子会に男性芸能人のゲストを呼べるとしたら福士蒼汰くんよりも毒蝮三太夫さんを選んでしまう私たち。それでも私はこの時間が何よりも大好きなのです。女子力の高い女子会なんて、怖くて行けない。

 写真はKぴょんの家にあったおじいちゃんの胸像。「眼鏡はずせるんだよ」というKぴょんの言葉にみんなで「わー!本当だー!」と笑顔。37歳にもなって人の実家で何やってるんだよ……、あ、女子会か。

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西山繭子さんINFORMATION

日本の女優、作家。東京都出身。
大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。
テレビドラマを始め、女優として活動。
最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。
著書に『色鉛筆専門店』『しょーとほーぷ』『ワクちん』などがある。

 
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