今年もお世話になりました!│西山繭子の「女子力って何ですか?」

西山繭子の「女子力って何ですか?」

Writer

西山繭子

#137

今年もお世話になりました!

2019-12-23 16:05:00

 みなさま、本年もお世話になりました。想定内ではありますが2019年も女子力は上がりませんでしたし、幸せにもなれませんでした。でも、もうここまでくると生きているだけで良いんじゃないかって思います。私の親はそんな心境でありましょう。ではでは、今年最後のコラムです。仕事場に貼ってある無料ダウンロードカレンダー(予定はここに書き込む)と共に、2019年を振り返ってみたいと思います。1月。年明けをポーランドで迎える。美しい古都クラクフの広場で行われたカウントダウン、酔っぱらった若者が銅像の上によじ登る姿を見て、どこの国でもバカな奴はやることが一緒だなとしみじみ。帰国翌日に映画『アストラル・アブノーマル鈴木さん』の舞台挨拶があり、来ていた事務所の社長からお年玉をいただく。今度から正月には必ず仕事をしたい。お年玉をもらうために。誕生日はドラマ『スキャンダル弁護士Queen』の撮影を終えてから父と寿司。「あなたいくつになったの?」と訊かれるのは、もう100万回目。2月。意中の男性とデートの約束をするが、数日前に「すみません!会議が入ったのでリスケしてもらって良いですか?」とメール。仕事ならしかたないよねと思っていたが、当日の彼のSNSを見たところ『会員制のワインバーに行きました』と自慢気に書いてあった上に、店の鏡に女が映りこんでいた。バチが当たればいいと思う。3月。『暮しの手帖』の撮影で、数時間ではあるが家に5人も人がいた。これまでは引っ越し屋さん2人と私、という3人がマックスだったので記録を更新したことになる。母の誕生日には丸ビルで中華料理。お花もプレゼントして、本当に良い娘である。こんな良い子に嘘をついたあいつには本当にバチが当たればいいと思う。4月。めずらしく「欲しい!」と思うワンピースに出逢う。めったに洋服を買わない私にとって4万円のワンピースは高価な品であったが、シルク混の素材や手の込んだ作りに感動して購入。それを着てエド・シーランのLIVE、そして美輪明宏さんの舞台に行く。ファストファッションではない洋服が与えてくれる幸福感ってすごい。でも、あいつにはバチが当たればいいと思う。5月。何といってもオランダ旅行。このコラムでは2回に分けて書いたけれど、それでも足りないほど充実の旅であった。しかし「オランダ最高!」と人に言うと、あらぬ嫌疑をかけられることがある。残念ながら、私はあんなものがなくても充分に楽しく過ごせるのである。素晴らしい時間を過ごせたことで、嘘つき男にはまったく興味がなくなった。でもバチだけは当たってもらいたい。6月。父の仕事の手伝いでフランスとイタリアへ。先日放送された『伊集院静 ダビンチをめぐる冒険』のエンドロールに、スペシャルサンクス西山繭子の文字が見えた。私には見えた。そんな旅だった。フィレンツェの夜、父に嘘つき男のことを話すと「父が埋めておくから、あなたは何も心配しなくていい」とのこと。さすが親子である。7月。小学6年生になる甥っ子1号と横浜マリノスVSマンチェスター・シティの試合を観に行く。駅で買った崎陽軒のシュウマイ弁当の袋を甥っ子が「持つよ」と言ってくれたことに感動して泣きそうになる。ずっと子どものままでいて欲しい。毛とか生えないで欲しい。甥っ子ラブ。8月。ひたすらバレエの練習に明け暮れる。夏らしいことといえば、女3人でビアガーデンに行ったこと。霞が関という場所柄、客の多くはスーツ姿のサラリーマン。彼らを見ながら、やはり結婚するなら厚生年金をもらえる人が良いなと思う。9月。笹塚ボウルの恒例イベント『吉田類と仲間達Vol.12』にDJとして参加。ミキサーの操作を間違えてフロアを無音にするが気にしない。みんな酔っぱらっているから気にしない。翌日からはルート66をめぐる旅へ。小さな町のアンティークショップでアーミッシュの家族を見かける。生まれて初めて遭遇した本物のアーミッシュにやや興奮。電気も使わず車も持たない彼らは自給自足の質素な生活を送っている。しかし、そのアーミッシュのお母さんはアメリカ人によくみられる典型的な肥満体形だった。何だかなあ。10月。銀座松屋で『伊集院静展』が開催される。展示を見ていたら何だか父が死んでしまったような錯覚に陥る。ああ、惜しい人をなくしたなあと思っていた30分後に焼鳥屋でばったり。あと100年は生きそうだった。11月。甥っ子1号と2号が通う小学校の学芸会に行く。話すのがまわりの子どもよりも遅くて、今も言葉の学校に通っている2号が一生懸命台詞を言っている姿に号泣。1号が私のお古のパーカーを着て舞台に立っていることに号泣。ついでに知らない子しか出ていない『オズの魔法使い』にも号泣。ハンカチではなくバスタオルを持って行くべきだった。12月。1月5日調布グリーンホールで開催されるバレエの発表会に向け、ひたすら練習。そしてダイエットの日々。発表会、早く終われ!みなさま、今年もお付き合いいただきありがとうございました。2020年、私のテーマは「悪癖を断つ」であります。きっと女子力も上がることでしょう。写真は私がこよなく愛するスーパーオオゼキから届いたクリスマスプレゼントです。数ヵ月前に冷凍うどんを買って応募しました。年の瀬に今年一番の喜びであります。

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西山繭子さんINFORMATION

日本の女優、作家。東京都出身。
大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。
テレビドラマを始め、女優として活動。
最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。
著書に『色鉛筆専門店』『しょーとほーぷ』『ワクちん』『バンクーバーの朝日』などがある。

オフィシャルサイト→FLaMme official website