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• 雄飛ちなみにこの相談者の好きなことっていうのは「映画」だそうなんですが、音楽業界にもありますね。例えばロックが好きだから、という動機でレコード会社に就職したものの、演歌の営業担当になって北海道に転勤になっちゃうとか。
  ちなみに、水野さんが弁護士になったのは、もともと弁護士が好きだから？
• 水野（笑）自分はもともと編集者とかプロデューサーになりたいと思っていたんですね。大学時代はサブカルが好きで、周りに音楽とか映画とか演劇を作っている人たちがいて、その人たちを手伝っていたので。
  同時にその頃、本を読んでいて気付いたんですが、これからは法律とインターネットとクリエイティブが面白くなるかもしれないって思って、じゃあ法律的な立場から、そういうクリエイティブな人たちをサポートできたらいいなぁと思って。
• 雄飛へぇーー。
• 水野サポートしたいっていうと、ちょっとおこがましくて、そういうものと関わっていきたいという気持ちで弁護士になりました。
• 雄飛それは学生のとき？
• 水野そうですね、そろそろ就職とかがチラついてきたときぐらいですね。
• 雄飛それはめちゃくちゃ賢い選択でしょ？
• 水野たまたまですよ。
• 雄飛すぐに弁護士になれたの？
• 水野すぐじゃないですよ。すごく苦労しました。弁護士になる人たちって、弁護士になりたくて、小学生のときから試験で一番ばかりとってきたような人たちが集まっているところなので、大変でしたね。
• 雄飛そうですよね。でも普通とは違う入口から入って、その業界では異端の立場にいた方が、面白そうですね。
• 水野やりたい事に対して、弁護士の資格をある種のツールとして使うというマインドでいると、やれることがたくさんあるんですよ。
• 雄飛これ、めちゃくちゃいいアドバイスじゃないですか。（相談者は）聞いてないですけど（笑）。
• 水野（驚）アドバイスのしがいがまったくない！
• 雄飛僕もだんだん無我の境地になってきましたよ。聞いてないんですから（笑）。
  でもさっきの水野さんのアドバイスは本当によくて、この子（相談者）も、映画が好きだからイコール映画業界というわけではなく、例えば違う業種に就いても、そこで映画好きを生かすことができればよくなるかも、ということですね。
• 水野そうですね。ほかのところに行って、映画が好きだという気持ちを忘れないというのが、いちばん処世術としてはいいんじゃないかなと。
• 雄飛これ、完璧ですね。
• 水野ただ多くの人は、（その初心を）忘れちゃうじゃないですか。僕の周りで弁護士になった人で、僕と同じようなことを考えていた人っていたんですけど、その後もちょっとアブノーマルというか、変わった活動をしている人は、少なくなってしまいましたね。
• 雄飛世の中に流されて、志を忘れてしまうってことですね。
• 水野ところで、雄飛さんはミュージシャンになってなかったら、何をやっていると思いますか？けっこう若いときにデビューしたんですよね？
• 雄飛僕は大学卒業して、22歳か23歳でデビューしたので。
• 水野メジャー？
• 雄飛メジャーでした。そうですね、ミュージシャンになってなかったら…、本当は豆腐屋さんになりたかったんですよね。

• 水野（笑）雄飛さんのスタッフさんが、みんな初めて聞いたって顔してますよ。初めて言ったんじゃないですか？
• 雄飛（笑）ちがうちがう、聞いてください。
  豆腐屋ほど真っ当な仕事はないって思っていて、原宿に一軒、名店があるんですけど、毎朝早く起きて、豆を絞って、毎日豆腐を作って、売切れたら終わってっていうのを昔から見ていて、尊敬しているんですよ。
• 水野そこで買ってるんですか？
• 雄飛買ってたんですけど、お店が無くなっちゃったんです。
• 水野無くなっちゃったんですか？
• 雄飛無くなっちゃったんです。だから豆腐屋さんにならなくてよかったなーとも思うんですけど…。

• 雄飛またあそこのお豆腐食べたいんですけどね…。ってことで、次の相談にいってみましょう。

• 雄飛どういうことですか？結婚してから稼いだものは、半分にしなくちゃならない？
• 水野そうです。基本的には。
• 雄飛結婚前ならいい？
• 水野大丈夫です。
• 雄飛お金持ちが奥さんを迎えて、いざ離婚するってときに、結婚する前の財産まで持っていかれることはない？
• 水野それはないんですけど、最近の世界的なニュースなっている、アマゾン創設者のひとり、ジェフ・ベゾスさんの離婚問題って知ってますか？
• 雄飛いやぁ、知らないです。
• 水野これが大問題になっていて、離婚したんですけど、奥さんがアマゾンの株も含めて、財産の半分を請求しているんですよ。
• 雄飛結婚後の財産？
• 水野アマゾンが成長したのは結婚したあとなので、ほとんどの資産が結婚後なんですよ。で、これが大変な問題になっていて、かなり多額なお金を払って解決するんだと思います。しかも株を渡すわけにはいかないので、今の資産価値で計算して、将来にわたってお支払いしていくというすごい契約になると思います。
• 雄飛それが原因でアマゾンの送料無料が無くなるのは超イヤですよ。
• 水野でもそういう可能性があるぐらいのインパクトがあって、アマゾンの株を持っている人は戦々恐々としていますよ。
• 雄飛マジ？
• 水野この離婚のルールはわりと国際的なので、勝ちようがないですね。婚前契約とかしていれば別なんですけど。
• 雄飛ではこの相談者の場合は、家を買っているわけだから、半分とられちゃう？
• 水野家は半分に出来ないんですよ、当たり前ですけど。なので、離婚するときに家は奥さんにあげるってことが多いですね。
• 雄飛そうしたら、家の半分に相当する分はもらえない？
• 水野いちおう概念的にはもらえるんですけど、離婚に納得してもらうために、「あげるから」ってことが多いですね。そしてローンは払い続けるという。
• 雄飛そうなんだ…。僕、そういうところいい加減だから、なんにも考えてなかったけど。
• 水野自分のことに置き換えてますか？（笑）
• 雄飛（笑）それで家庭内離婚っていうのがあるんですね？
• 水野まさにそうなんですよ。別れたくても別れない。
• 雄飛じゃあこの相談者の場合は、家庭内離婚の方がいいんですかね？
• 水野その方が、相談者的にはメリットがあるかもしれないですね。気持ち的なところは置いといて、財産的な話では。
• 雄飛でも、別れた女房が同じ家に住んでいて、新しい旦那を連れてくたりするんでしょ？
• 水野自分が出て行けばいいんじゃないですか？でも離婚はしない。
• 雄飛あぁ、出て行くけど離婚はしない。なるほど。
• 水野そういう手段もいちおうあります。完全に気持ちは離れているけど、双方が経済的な要因や、教育的な観点から離婚はしないというケース。それがいい方法だっておすすめするわけじゃないですけど。
• 雄飛いやぁわかりました。「なんであの夫婦、離婚しないのかな？」っていう人いますもんね（笑）。

※このコーナーではみなさまからの「お悩み」をとくに募集していません。

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