大谷くーん!│西山繭子の「女子力って何ですか?」

西山繭子の「女子力って何ですか?」

Writer

西山繭子

#040

大谷くーん!

2015-12-14 18:52:00

 あっという間に師走ですね。この時期になると足を運ぶ恒例のイベントがあります。それはブルーノート東京で行われる『チコ&ジプシーズ』のLIVE。今年ももちろん行って来ました。メンバーはDJの須永辰緒さん、イラストレーターの安齋肇さんご夫妻、そして私。今年で三年目となるこの宴、「一年って早いねえ」などと言いながら、須永さんのご友人でもあるブルーノートの女性スタッフにお薦めいただく美味しいワインに舌鼓。生ハムとかチーズとかオリーブとかシャレ乙なものをつまむ大人たち。いざLIVEが始まれば、立ち上がり踊りつつも「チコは常に懐に拳銃を忍ばせているはずだ」「バイオリンとピアノはたぶん仲が悪い」「あのボーカルはいつも女しか見てない」などと音楽に関係ない話で盛り上がる大人たち。とても楽しい時間を過ごしました。ブルーノートは大人の社交場なので、LIVEもお食事もそれなりにお金がかかります。価値のあるものにはそれなりの対価がある、それは当然のこと。しかし、そればかりを続けているほど私の台所事情はぬくぬくしていないので、常日頃『節約』を心がけて生きております。女子力という観点から見ても、お金に無頓着な女性より、きちんと節約ができる女性の方が女子力は高いはず。何かとお金がかかる師走、節約は大切ですよー。

 不景気のこの世の中、テレビを見ても雑誌を読んでも、いたるところに『節約』という言葉が溢れています。その節約道のプロといえば、やはり主婦のみなさん。男児三人の母である私の姉も、日々やりくりに励んでおります。特売日に食材を大量買い、安価な鶏肉を駆使、キャベツでかさまし等々の主婦らしい努力。そんな中、月に一度、『肉の日』なるものがあるそうで、旦那が出張でいない時を見計らい、子どもたちが寝静まってから一人で牛肉を焼いて食べるらしい。それが主婦である姉に許された唯一の贅沢だそうだ。独身CA時代に、シャンパーニュ地方のランスで5万円のランチを食べていた人が変わるもんだな。主婦ではない私も、まず気をつけているのはやはり食費です。以前SNSをやっていた時、TwitterやFacebookで毎日、友人たちがアップする食べ物の写真を見ていました。フレンチにイタリアン、寿司に焼肉。「美味しそう!」「どこのお店?」というコメントを眺めつつ、私が思っていたのは「みんなお金あるなー」でした。行くお店にもよるけれど、お酒を飲みつつの夕飯であれば1回につき5000円はかかりますよね。5000円あったら自炊だと10日間は余裕で食べられる。だから、外食をするならば家で作れないようなものを食べたい!お願いだから、冷やしトマトとか頼まないで!私の食費節約のコツは、とにかくスーパーに行かないこと。コツでも何でもないじゃないかと思われそうだけど、本当これに限る。行くと必ず余計なものに手を出してしまう。なのでスーパーに行く前にはチラシと睨めっこして、きちんと入念な計画を立てます。特売のモノ、日持ちするモノ、食べたいモノ。ちゃんと考えて購入した食材、それを調理してから小分けにして冷凍保存。今もそうですが、この原稿は図書館で書いています。図書館に行く時は、だいたいお弁当持参なので(写真参照)、小分けの冷凍保存が大活躍。主婦でもないのに、この主婦的な動き!もう、誰でもいいから結婚して!ウソ!誰でも良くない!大谷翔平くんがいい!

 大谷くんと結婚したら節約とは無縁の世界でありましょう。しかしそれは可能性が限りなくゼロに近いというか何というか、まあ、ゼロだよね。ヒャクパー、ゼロだよね。なので、これからも私の節約人生は続いていくのです。ただ、節約はするけど、ケチは駄目です。これはお金が有る無しの問題じゃなくて、金持ちでもケチはいますからね。以前、私に好意を寄せていた大金持ちがいて、その人は自宅があるモナコ(わかりやすい!)から「早く遊びにおいで」なんてクルーザーに乗った写真を送ってくるような人でした。その人がある日、新しく買ったというイギリスの古城(本当かよ!)から電話をくれたのですが、その時、開口一番に言ったのが「繭子ちゃん、スカイプ入ってる?」でした。私が「入ってませんけど、どうしてですか?」と尋ねると「スカイプだと電話代がかからないから」と大金持ちは答えました。まあケチじゃなきゃ金持ちにはなれないのでしょうけどね。あと貧乏くさいのも駄目ですね。先日覗いた、とある主婦の節約ブログにはタワシで作るクリスマスリースの作り方なるものが載っていましたが、私、タワシを飾るぐらいならクリスマスやらなくていい。節電節電で家は真っ暗、節水節水でトイレは毎回流さない、そうして夢のマイホームを建てました、これもまったく羨ましくない。しかし人それぞれ価値観は違うものです。私も日々の節約には気を遣っていますが、旅先ではパーンと使います。翌月カードの請求額を見て泡をふいて倒れるというのがいつものパターンですが、これは私の価値観。1月は母にフランス旅行をプレゼントするので、しばらくは節約に勤しまなければ。その前に、年末ジャンボが当たりますように!

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西山繭子さんINFORMATION

日本の女優、作家。東京都出身。
大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。
テレビドラマを始め、女優として活動。
最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。
著書に『色鉛筆専門店』『しょーとほーぷ』『ワクちん』などがある。

 
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