ハッピーニューパンツ│西山繭子の「女子力って何ですか?」

西山繭子の「女子力って何ですか?」

Writer

西山繭子

#066

ハッピーニューパンツ

2017-01-05 18:06:00

 みなさま、あけましておめでとうございます。2017年の三が日、東京はお天気も良く暖かく、麗らかなお正月でありました。そのお正月を迎えるべく大晦日は、もちろん家で紅白歌合戦を見ていました。一人ですき焼きをしながら審査員を勤める大谷くんの笑顔に何度も「かわいいなあ」とニヤけ、そのうちカメラはもうずっと大谷くんだけ映してくれれば良いのにとまで思いました。きっと栗山監督もそう思っていたはず。23時45分からはもちろんジャニーズカウントダウンにチャンネルを合わせたわけですが、タッキー&翼を見ながら、先日姉と「タッキー&翼とノブ&フッキーだったら、どっちのコンサートに行きたいか」という話になりアラフォーの私たちはノブ&フッキーを選んだわけですが、画面の向こうのタッキー&翼はやはり格好良く「ノブ&タッキーという組み合わせはどうだろうか」などと2016年の最後に恐ろしくどうでもいいことを考えていました。そして0時になる前に携帯の電源をオフ。おめでとうメールとか電話とか鬱陶しいので。ちなみに2016年、最後に電話で言葉を交わしたのは伊集院静先生でした。「山口に帰省するのにJALとANAを間違えて、羽田空港でターミナルを移動するはめになった」という無頼派らしからぬほのぼのトーク。そしてジャニーズのみなさんと一緒に新年を迎え0時3分には部屋の灯りを消して就寝。渋谷のスクランブル交差点で騒いでいた人たちよ、これがアラフォー独身女の大晦日だ。
翌朝は6時に起床。部屋にまだすき焼きの匂いがこもっていて、今年こそ広い部屋に引っ越すぞと胸に誓いつつ携帯の電源をオン。おめでとうメールは事務所の社長からの一通のみでした。混雑する前に向かった初詣では、女子力高めに「恋みくじ」なるおみくじをひいてみました。どきどきしながら開いてみると『最終列車は過ぎ去った』と書かれており、結婚の欄には『まだ早い。二、三年待て』と書いてありました。「何だよ、恋みくじって。普通のおみくじにすりゃ良かったよ」と元旦早々ふてくされながら帰宅。お昼は、新年の挨拶でまずは姉宅へ。5歳の甥っ子2号に「まーたん、何で来たの?ひょっとしてお年玉?」と棒読みで訊かれ「うん。1人100万円ずつ」と激しくほらを吹きつつお年玉を配る。甥っ子3号は3歳。18歳まで渡すとしたらあと15年、その時私は53歳かあと考えながら次は母のもとへ。こちらにもお年玉を渡しつつ、100歳まで渡すとしたらあと34年、その時私は72歳かあと元旦から無意味な計算で心が暗くなる。でもまあお正月に家族と会うというのは平和の証しでありますね。そして1月2日は昨年買えなかったデューブルベの福袋(1万円)を買いにいざ街へ!といっても、並ぶのが嫌いな私は開店の10分前に到着。それで買えなかったらいいやというゆるさであります。ちなみにデューブルベというのは、私がこよなく愛する下着メーカー、ワコールがやっているセミオーダーの下着ブランドで、2017年の福袋の中身はブラジャーお仕立て券とおパンツ3枚。ブラジャーを作るだけでだいたい1万円するので何ともお得な福袋なのであります。前に並んでいる人たちをざっと数えてみて、まあ大丈夫かなと思っていたら先に福袋をゲットした人たちを見て唖然。一人で2個も3個も買って行くのですよ。個数制限がないのでいけないことではないのですが、思いやりの問題だなあと思いました。ちなみに私の少し前に並んでいた男性は奥様に頼まれたのかLLサイズの福袋を3つも買っていきました。ちなみに旦那さんはガリッガリ。夫婦って色々大変ですね。そしていざ私の番になり、無事にMサイズを一つ購入。帰宅して開けてみると、なんとデューブルベの中でも高級なOFFARLIというシリーズのおパンツが入っていました。普通に買ったら8000円する高級おパンツ。女子力マックス!もうここまで高級だと、パンツで歩いてもいいんじゃないかとさえ思います。嬉しくなって母に電話すると、母は近所のスーパーの衣料コーナーで『パンツ1000円詰め放題』に行ってきたとのこと。親子で正月からパンツのことしか考えていないのか!母はその詰め放題で16枚ゲットしたと喜んでいたので「死ぬまでにそんなにはききれないでしょ」と言うと「お姉ちゃんに半分あげるもん」とのこと。姉に「ママがやっすいパンツくれるらしいよ」と連絡すると姉は大喜び。「私は1枚8000円のパンツを履くけどね」と言うと、姉は「股を隠すためだけの布が8000円ってどういうこと?そのお金でパンツ詰め放題したら108枚になるよ」とバカにしたように言いました。「そうやって二人は安いパンツをはいてればいいさ」と勝ち誇ったように言い返すと「まーたん、いつも高いパンツはいてるけど結婚できないじゃん!」とぴしゃり。ん?結婚とパンツの値段って関係あるのか?でもまあ、恋みくじいわく結婚はまだ早いということで、今年も西山繭子は女子力をあげるべく日々精進いたします。

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西山繭子さんINFORMATION

日本の女優、作家。東京都出身。
大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。
テレビドラマを始め、女優として活動。
最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。
著書に『色鉛筆専門店』『しょーとほーぷ』『ワクちん』『バンクーバーの朝日』などがある。

オフィシャルサイト→FLaMme official website