睡眠科学│西山繭子の「女子力って何ですか?」

西山繭子の「女子力って何ですか?」

Writer

西山繭子

#092

睡眠科学

2018-02-12 12:06:00

 昨夜未明、18年間連れ添ったパジャマが息をひきとりました。その当時つきあっていた彼氏の家に行く時「パジャマじゃなきゃ寝ちゃいけないってお母さんに言われている」とどうしようもない家訓を口にする私のために買ってくれたラルフローレンのパジャマ。それまで彼はTシャツにスウェットで寝ていたのですが、私のパジャマを買うついでに自分のも購入したところ「パジャマの方がよく眠れる」とその素晴らしさに気づきました。当たり前じゃないか、パジャマってそのために作られているのだから。今朝方、その大切なパジャマのお尻の部分に穴が開いていることに気づきました。今までもそうなのですが、パジャマって絶対にお尻の部分から弱っていくのです。昨年もお尻の部分から死亡したパジャマをマンチェスターに葬ってきました。なぜお尻の部分? これって私だけですかね? なんだろう? おならの圧とかってこと? そりゃ古典の授業中、机に突っ伏して寝ている時に巨大なおならをして、その音にびっくりして目を覚ました私ですけど、それは17歳という若さあってのことで、40歳になった今じゃおならも貧弱なものですよ。ちなみにその時「西山さんのおならの風圧で、私の机が少し動いた」と後ろの席の野口さんが言っていました。1枚を失い、これで私が今持っているパジャマは一年を通して4枚になってしまいました。冬用1枚、春秋用1枚、夏用1枚、真夏用1枚。夏と真夏って違うからね。そろそろ新調せねばと、どんなものがあるかネットで検索しているのですが、まあ本当にぴんきりなのですよね。高級パジャマというと、やはりシルクというイメージがあります。新聞広告で松方弘樹さんもおすすめしている的なね。でも私としては、手入れの大変さを考えるとそこには魅力を感じないんですよね。パジャマは365日着るものだから、洗濯機でガシガシ洗えて、お日様にバンバン干してなんぼなわけですよ。そう、365日!ここが重要。私が一番欲しいワコールの睡眠科学シリーズは、平均で1万5千円ほどします。パジャマに1万越えというと高いなあと思う方がほとんどなわけですが、1シーズンに数回しか着ない洋服に同じ値段を出すことを考えたら、むしろコスパ高しなわけです。ワコールの睡眠科学シリーズは、名前の通り「睡眠の睡眠による睡眠のためのパジャマ」でございます。以前『大パンティー祭り』で書いたように、私はワコールが大好きであります。2018年の新年も招き猫のアップリケがついたワコールの赤いパンツで迎えました。おなかまであるタイプなので、そのパンツ1枚で怠惰に動くとジャイアント馬場さんみたいです。下着は全てワコールなのですが、やはりここは睡眠科学のパジャマも手に入れたいなあと思っている次第であります。しかしオンラインストアだとたくさんの種類が売られているのですが、全てが店舗にあるわけではありません。やはりここは実際に自分の手で触れてみないと、肌触りや生地の厚さがわからない。以前、ネットでシーツを購入した時に、届いてびっくり。シーツの向こう側の景色が透けて見えるぐらいうっすうすのペッラペラだったことがあります。レビューに「お値段のわりにしっかりしています!リピ決定!」って書いていた人、どういう感覚をしているのだろう。女子に人気なのは、その言葉を唱えていれば女子力が高いといわんばかりの「ジェラピケ」なのでありますが、おばさん、本当にそこに興味が持てないのよ。ふわふわもこもこにまったく魅力を感じないのよ。パジャマは綿100%!ふわふわもこもこしている必要なし!ましてやフードなんていらん!襟がついていて前開き。できたら日本製が良いですね。スイスの高級ブランドHANROのパジャマも憧れますが「日本人ならお茶漬けだろ」ってラモスさんも言ってたし。よし、今月は食費を節約して新しいパジャマを買おう。女子力高めのピンクとかにしようかな。写真は18年間着たパジャマです。もともとはもっとしっかりした黒でした。このパジャマで私は何時間眠ったのだろう。どんな夢を見てきたのだろう。そう考えると、ちょっと感慨深いですね。

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西山繭子さんINFORMATION

日本の女優、作家。東京都出身。
大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。
テレビドラマを始め、女優として活動。
最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。
著書に『色鉛筆専門店』『しょーとほーぷ』『ワクちん』『バンクーバーの朝日』などがある。

オフィシャルサイト→FLaMme official website