おめでとう、私│西山繭子の「女子力って何ですか?」

西山繭子の「女子力って何ですか?」

Writer

西山繭子

#211

おめでとう、私

2023-01-22 15:29:00

 1月21日は、高田純次さん、京本政樹さん、そして私の誕生日です。45歳になり、アラフィフに突入です。アラフィフ!アラフィフって!いまだ地に足のつかない生活をしている私が、アラフィフって!もう自分でもよくわかりません。先ほど、ネットで「45歳」と調べたら、すぐに「45歳の壁」と出てきました。年明けにインナーカラーを入れようと思い「インナーカラー 40代」と検索ワードを入れたらすぐに「痛い」と出てきたぐらいのスピードで「45歳の壁」が出てきました。有名な言葉なのでしょうか。私は初めて耳にしましたが、一般的に45歳は出世の限界を迎える時期と言われているそうな。まだまだミュージカル『Annie』の主役を諦めきれない私としては聞き捨てならない言葉であります。ああ、45歳にはそんな壁があるのか。果たしてこの私に乗り越えられるのかしら。そのためにも、まずは良きスタートを切らねば。つまり良き誕生日を迎えねばならないと思いました。一年で一番好きな日が大晦日な私ですが、反対に嫌いな日があるかと訊かれれば、即座に誕生日と答えます。その理由は「誕生日は幸せであるべきだ」というプレッシャーがあるからです。幸せとはもちろん人それぞれなのですが、芸能人の盛大な誕生日パーティーをSNSなどで見ると、多くの人に祝ってもらい、たくさんのプレゼントをもらえる人が幸せみたいに思えてきます。もちろん実際にそれは幸せだと思いますし、素直に羨ましいです。20代の頃によく遊んでいたグラビアアイドルの子は、誕生日月には何度もパーティーをしていました。ベンチャー企業の社長や外資系金融マンがわんさかお祝いしてくれるのです。私も高級なタダ酒を飲みにたまに顔を出していました。あの時に口説かれた金持ちと結婚しておけば、45歳にもなって裏起毛タイツの親指部分に開いた穴をかがったりしなくて済んだのになあと思いますが、後悔先に立たずです。しかし、そんな風にお祝いをしてくれる人がいない私は、どう誕生日を過ごしたら良いのか?考えた私は「1日中、自分の好きなことだけをして過ごそう」と決めたのです。
 朝はいつも通り4時に起床。前日に『誕生日にするといいこと』をくまなく調べた私、朝起きたらまずは窓を開けろという指示に従い、家中の窓を開けました。冷たい風が一気に部屋に吹き込んできます。この日の東京都心の最低気温は3度。ぶるぶる震えながら0時ぴったりにきていた所属事務所フラームの社長からのお祝いのメールを読みます。が、寒すぎて頭に入ってきません。寒い。寒すぎる。このままだと誕生日の朝に凍え死んでしまう。窓を開けるのは良い気を取り込むためとのことだったので、もう大丈夫であろうと自分に言い聞かせ、すぐに窓を閉めました。この後はいつも通りのルーティーンで筋トレとウォーキング。大寒の空の下、TUBEを聴きながらまだ暗い住宅街を歩きます。本来であればこの後に朝食をとるのですが、この日は「自分の好きなことだけ」をするので台所に立つのは無し。朝早くからやっているパン屋さんへと向かいました。クロックムッシュ、パンオーショコラ、イチジクのパンを選び、イートインスペースへ。美味しいコーヒーと一緒に贅沢な朝ごはん。もうこれだけで幸せ。そして映画館で『ミセスハリス、パリへ行く』を鑑賞。公開からなかなか時間が作れずにこの日になってしまったのですが、誕生日にこの映画を観られたことは本当に幸運でありました。ああ、素晴らしい作品。心が幸せに包まれたまま、お昼は銀座『しゃぶせん』へ。春節っぷりを感じる店内で、1人鍋を前に美味しいしゃぶしゃぶを満喫しました。その後は銀座をぶらぶら。誕生日にするといいことの1つに「自分への贅沢なプレゼント」とあったのでお財布を探しに行ったのですが、お財布が1つが20万円?どういうこと?そもそもそれに見合う金額を入れないしな、ということで却下。気を取り直して3時のおやつは不二家レストランでチョコレートパフェ。ああ、なんて美味しいの!好きなことしかしないって最高。本屋さんに行き新刊を物色したり、物産館に行って全国各地のお土産を眺めたり、一人で気ままに過ごす誕生日。そして最後のしめは回転寿司です。1日中食べてばかり!でもいいの!誕生日だから!ここでは、大好きないくらをひたすら食べまくりました。大好きなので無限に食べられるかなと思ったのですが、5皿10貫が限界。来年はぜひ6皿を目指したいです。そして驚くことにこの回転寿司屋さんは、お誕生日デザートプレゼントがあったのです。店員さんに免許証を見せると「まあ!今日ですか!おめでとうございます!ハレの日に当店を選んでいただき、ありがとうございます!」とお祝いの言葉をかけていただきました。少し恥ずかしかったのですが、幸せいっぱいの誕生日になりました。45歳、楽しく健やかに過ごしたいと思います。

image2 2023.1.23 配信

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西山繭子さんINFORMATION

日本の女優、作家。東京都出身。
大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。
テレビドラマを始め、女優として活動。
最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。
著書に『色鉛筆専門店』『しょーとほーぷ』『ワクちん』『バンクーバーの朝日』などがある。

オフィシャルサイト→FLaMme official website