読む│西山繭子の「女子力って何ですか?」

西山繭子の「女子力って何ですか?」

Writer

西山繭子

#237

読む

2024-02-26 10:32:00

 外は冷たい雨が降っています。朝からずっと家にいるのですが、めちゃめちゃ寒いです。デロンギのオイルヒーターで足元を温めて、ジェラピケのふわもこカーディガンに身をつつみ、生姜とハチミツ入りの紅茶を飲んで、身も心もぽかぽかといきたいところですが、実際は湯たんぽを足元に置き、献血ルームでもらった「けんけつちゃん」のブランケットを膝にかけ、暖をとるために焼き芋を2本食べました。明日、明後日に食べようと思って4本焼いたのですが、2本食べてしまいました。残り2本を食べてしまうのも時間の問題です。身体は温まりましたが、暖のとりかたとしてはデメリットが大きいです。本来であれば食べた分をウォーキングでカロリー消費といきたいところですが、今日は1歩も出ないと決めたので、絶対に家から出ないのです。ここ最近は月に数回そんな日をつくっています。ずっと家で何をしているかといえば、まあ今日のように原稿を書いていることもありますが、それ以外はひたすら本を読んでいます。小説から実用書まで、ジャンルを問わず興味がわいたものを片っ端から。『体の贈り物』『子がいない人の終活・手続きあんしん帖』『パンダを飼ったらいくらかかる?』『パリの「敵性」日本人たち』『間の悪いスフレ』『MOCT』『アメリカ版歴史地図』『パソコン仕事が10倍速くなる80の方法』『著作権法入門』『ヒロポンと特攻』『ウズベク語』むさぼるように本を読むとはまさにこのこと。作年秋から最近まで、心がざわざわして本を読めない状態に陥っていたのでその反動なのかもしれません。はたまた二階さんの書籍代が3500万円と知ったからかもしれません。何はともあれ、今はたくさんの本を読んで、考えて、自分のなかに入れていく、それがとても楽しいです。しかしながら、こうしてずっと本を読んでいると改めて「書く力」の大切さに気づかされます。こうして書いている私が言うのも妙ですが、書くって難しいのだなあと。本のなかには、タイトルに惹かれて手にとったものが多いのですが、国連にまつわるノンフィクションは、おおむね自慢話が綴られており、飲み屋で偶然隣り合わせたつまらないおじさんに時間を奪われたような気分になりました。個人的な見解ですが、人より少しだけ偉くなったおじさんには「自分の人生を本にしたい」と思っている人が多いです。以前、父のファンを名乗る年配の方が「伊集院先生に読んでいただくのは、おこがましいので、娘さんに」というトリッキーな理由で、私小説を綴った原稿を私に送ってきたことがあります。誤字脱字も多くて、お世辞にも面白いと言えない作品だったのですが、一応「お送りいただきありがとうございます。執筆がんばってください」というお手紙を出しました。そしたらなんと、驚くことに続編が送られてきました。無駄な気遣いをしてはいけませんね。そこは勉強になりました。今日は、この原稿を書き終わったら芹沢光治良の『巴里に死す』を読みます。作ったばかりの老眼鏡と共に。
 そうなんです。先日、とうとう老眼鏡を購入したのです。結論から言いますと、もっと早くに買っておけば良かった、のひとことであります。つい最近もお洒落なビストロに行った際、メニューの文字が小さく、ほの暗い間接照明も相まって早々に読むのを諦め「おすすめって何ですか?」と店員さんに尋ねました。仕事をしていても書類の文字が読みづらく、それを作った20代の子に「ねえ、このフォントで読めるの?え!私以外は読めるの?」と詰め寄ったり、色々と不便がありました。ということで、時間を見つけてZoffへ。既製品もありますが、目と歯にはお金をかけるべしと思っているので、オーダーメイドで作ってもらうことにしました。まずはフレーム選びから。最初に、広告でヌートバー選手がかけているのと同じものを試してみたところ『オモシロおばさん』的雰囲気になってしまい却下。その後も色々試してみますが、15年前にレーシック手術をして以来の眼鏡ということで、もう選び方がわかりません。色々と相談して、最終的には店員さんがおすすめしてくれたZoff SMARTというシリーズのものから選びました。軽くてとても使いやすいです。お次は視力測定。ここで驚いたのは、屈折を測る機械が、何十年経っても見るものが気球だということ。間違いなく、世界で一番見られている気球ですね。測定では両眼の左右差もわかり、やはり作ってもらって良かったと思いました。老眼鏡ではありますが、久々の眼鏡にちょっとウキウキしております。

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2024.2.26 配信

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西山繭子さんINFORMATION

日本の女優、作家。東京都出身。
大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。
テレビドラマを始め、女優として活動。
最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。
著書に『色鉛筆専門店』『しょーとほーぷ』『ワクちん』『バンクーバーの朝日』などがある。

オフィシャルサイト→FLaMme official website