オアシス│西山繭子の「女子力って何ですか?」

西山繭子の「女子力って何ですか?」

Writer

西山繭子

#256

オアシス

2024-12-09 10:37:00

 この世の中に、オアシスのチケットを手に入れられた人がいるのでしょうか?というぐらい、まわりで話を聞きません。日本公演が決まる前、まずはマンチェスター公演のチケットにトライしましたが見事玉砕。そして10月の東京ドーム2daysが決まり、友人3人で抽選に申し込みましたが、全員落選。そして迎えた一般発売。1月の志の輔らくごを一般発売で手に入れることができた私としてはクリックに自信があったのですが、そもそもまったく繋がらない。何時間経っても『アクセス集中』。そしてやっと繋がった時にはもちろん予定枚数終了でありました。うう、残念。30年前、深夜のラジオから流れてきた『Whatever』。曲名もアーティスト名もわからずにタワーレコードの店員の前で歌ってみせるという荒技で無事に購入したシングルCDは、今でも大切にとってあります。実際のライブは1998年の武道館しか行ったことがありませんし、兄弟を個々で追うほどのファンではありませんが、それでもやはり若かりし頃の思い出とともにあるオアシス。行きたかったなあ。同じ気持ちの人々が日本中に溢れているはず。こんなに行きたい人がたくさんいるのだから、オアシスも清水アキラさんのように箱根の温泉旅館と年間契約してくれれば良いのに。ダメもとで打診したら、案外「ああ、いいぜ」とか言うかもしれない。浴衣でくつろぐノエルとリアムとアキラ。え?アキラも?ここ数日は、悔し紛れにそんな愉快なことばかり考えています。運良く15年ぶりの再結成を観られる方は、ぜひ楽しんできて下さいませ。今年行くライブはチャーリー・プースが最後かな。ここ数年12月の恒例行事となっていたチコ&ジプシーズinブルーノート東京は2月に変更になったもよう。うひ、それも楽しみ。同じ月には、マルーン5とグリーンデイもあるので風邪をひかぬように気をつけなければね。その他には、5月にやるBOYZⅡMEN&SWVも行きたいけれど、NKOTBを観にラスベガスへ行くのもありかなとか、ロビー・ウィリアムズのヨーロッパツアー参戦もありかなとか、年間カレンダーを眺めながら考え中です。ライブはスケジュールが許されるならば、なるべく行くようにしています。何しろお互いにいつ死ぬかわからないですからね。だいぶ雑な言い方になりましたが、本当にそう思います。値上がりの一途をたどっているチケット代も、毎回高いなとは思うのですが、不思議なものでライブに行って後悔をしたことってないんですよね。これはつまり、良いお金の使い方をしているのだなと思います。旅行も然り。これまで「行かなきゃ良かった」という旅は一つもありません。今から20年ほど前に母校の新入生オリエンテーションで講演のような漫談のようなものを頼まれた際、「10万円あったら旅行に行ってください。皆さんが好きなブランドもののバッグは、バーキン以外はすぐに使えなくなります。でも旅行は一生記憶に残ります」と話したことがあります。それまでかったるそうに私の話を聞いていた女子大生たちが、ふむふむとメモをとっていて嬉しかったことを憶えています。ただ、その後の質疑応答では「フラームってどうやったら入れるんですか?」「嵐と仕事したことありますか?」「CMのギャラっていくらもらえるんですか?」という質問ばかりで、さすが我が母校と思いました。しかしながら、彼女たちに伝えたことはホントにホントで、今現在、私のクローゼットに残っているブランドもののバッグはバーキン1つだけ。一方で、心には数々の旅の記憶が刻み込まれています。先月ハワイに行った時も、己の物欲のなさに些か不安をおぼえたほどです。身の回りのものが年々淘汰されていく今日この頃。そのなかで最も顕著なのは靴で、50足近くあったものが今では10足ほどに。しかもそのうち4足が同じものという偏り(写真参照)。この靴、見ておわかりの通りなかなか野暮ったいのですが、シンデレラかってぐらい私の足に合うのです。メーカーに問い合わせたところ現品限りで今後の生産予定はなしとのことでしたので、買い増しをした次第です。ヴィトン、フェラガモ、ルブタン、プラダ、ジミーチュウ。数々の華奢なパンプスに足をつめこみ、痛みに耐えてきた私が、今ではスリッポン一択ですよ。今年の旅行はすべてこの靴で快適に過ごしました。サイズがなくなる前に、あと3足ほど買い足したいほどです。あ、でも3足買うなら高額で転売されているオアシスのチケット買えるなあ。悩みどころですね。

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2024.12.9 配信

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西山繭子さんINFORMATION

日本の女優、作家。東京都出身。
大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。
テレビドラマを始め、女優として活動。
最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。
著書に『色鉛筆専門店』『しょーとほーぷ』『ワクちん』『バンクーバーの朝日』などがある。

オフィシャルサイト→FLaMme official website