私なりの天国の日々
2025-03-10 01:32:00
みなさん、こんにちは。神田郵便局のゆうゆう窓口にあるカードリーダーの音量が大きすぎるのではないかと思っている西山です。いや、本当に。先日そこから速達を出した際にWAONで支払いをしたのですが、その時の「ワオン!」の鳴き声に私、窓口のおじさん、隣にいたおじさんが一斉に身体をビクっと震わせてしまったほどです。そのあとは3人で「びっくりしましたね」と照れたように笑い合い、なんとも平和な時間ではありましたが、年齢のことを考えると、そろそろ心臓に悪いことは良くないのであります。以前、ここでも書いたことがあると思いますが、私は先天性心室中隔欠損症という仰々しい名前の病気を抱えているので、人より心臓が弱いのです。うん、自覚症状はないけれど、たぶん弱いはず。だってこんなに長い病名なのだから。最近、心臓に悪そうだなと思ったのはグリーンデイのLIVEのアリーナ席です。Kアリーナの1階の空間が、なんとすべてスタンディング!しばらく座席があるLIVEしか行っていなかった私としては戦慄しました。まさか、モッシュとかしちゃうの?ドキドキしながら3階指定席から双眼鏡で眺めていたところ、ファンの人たちがいたるところでぶつかり合っていました。あれって喧嘩にならないのですかね。2009年に赤坂ブリッツでグリーンデイを観た時、『American idiot』のイントロが流れた瞬間に男の人に突き飛ばされてすごく怖い思いをしたことがあります。あの男の人、あの日から16年間ずっと不眠に悩まされていればいいのに。その時と違って、今回は安全な場所で楽しむことができたので大満足の2時間となりました。やはり中高生の時に聴いていたアーティストのLIVEというのは感慨深いものですね。朝の都営新宿線、セーラー服に身をつつんだ私は地下鉄の窓に映る自分を眺めながら何度も『Basket case』を聴いていました。かさばるCDウォークマンを鞄に入れるために、教科書は学校に置きっぱなし。本当にね、女手一つで頑張る母に私立校の高い学費を出してもらって何という親不孝。タイムマシーンがあったら16歳の私に教えてあげたい。「あなた、30年経っても一人でグリーンデイのコンサートに行ってるからね。しかもコンサートの前に吉野家で牛丼食べてるよ」「は?おばさん、何言ってんの?」「お、おばさん!あんたがおばさんになったんだよ!ムキー!」それにしてもボーカルのビリーはどうして年をとらないのでしょうか。妖精なの?ドラムのトレなんて、化粧を施した顔が『ミセス・ダウト』にしか見えなかったのに。
『ミセス・ダウト』といえば、妻役のサリー・フィールドが出演していた『プレイス・イン・ザ・ハート』という素晴らしい作品があります。その撮影を務めたのはネストール・アルメンドロスというカメラマンなのですが、先日、その彼がアカデミー撮影賞を受賞した『天国の日々』の4Kレストア版を試写会で観させていただきました。監督はテレンス・マリック。これは余談ですが、私は彼の名前を耳にするたびにテレンス・リーを思い出します。そして、それと同時に一時期ワイドショーでよく見かけた北朝鮮の料理人がイメージとして脳内に浮かぶのです。このことを人に何度となく話したのですが、まったく理解してもらえずに苦しんでいます。共感してくださる方がいらっしゃいましたらご一報ください。話しを戻し『天国の日々』です。このようなひたすら美しいものに触れられる時間というのは、今の私にとってすごく大切。前回、予定を入れることを控えていると書きましたが、それは今も継続中で、おかげで心穏やか。すべてが自分の時間。この『天国の日々』を観る数時間前には丸の内ピカデリーで『フライト・リスク』という、なぜメル・ギブソンがわざわざ9年ぶりに監督をしたのか謎な映画も観ておりまして、ついでに言いますと『アノーラ』『ブルータリスト』『ウィキッドふたりの魔女』もすでに鑑賞済み。まあ、休みの日には映画館にしか居ませんからね。『ブルータリスト』では合間の休憩に入った時、後ろにいたおじさんに「これ、いつ終わるの?」と聞かれ、上映時間をチェックしないで映画を観る人がいることに驚きました。そのおじさんは終演後、再び私に声をかけ「××のシーンはどういうことなの?」と尋ねてきたので、私自身の見解を話しました。おじさんは「ふーん。そういうことか。何だかピンとこないなあ」と納得のいかない表情。まあ映画の捉え方は、人それぞれですからね。私は多くの人が絶賛している『アノーラ』がピンとこなかったし。しばらくは観たい作品の公開が続くので、予定を入れないキャンペーンはもう少し続きそう。写真はグリーンデイのLIVEでもらったカードです。これを神田郵便局のカードリーダーにかざすと、爆音で『Basket case』が流れるってことはないですかね。
2025.3.10 配信
日本の女優、作家。東京都出身。
大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。
テレビドラマを始め、女優として活動。
最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。
著書に『色鉛筆専門店』『しょーとほーぷ』『ワクちん』『バンクーバーの朝日』などがある。
オフィシャルサイト→FLaMme official website