ぼろぼろ│西山繭子の「女子力って何ですか?」

西山繭子の「女子力って何ですか?」

Writer

西山繭子

#286

ぼろぼろ

2026-03-08 12:23:00

 元気が売りのポスト相原勇の私が、がっつり体調を崩しました。何シーズンも風邪さえひいたことがなかったので身体にこたえます。はじまりは月曜日でした。その日は休日だったため、午前中に家のことをあれやこれや済ませて午後からは姉の家に遊びに行きました。ここ最近、姉の家に行く時は必ずクリスピークリームドーナツをお土産に持って行きます。クリスピークリームのプラチナ会員は20%オフになるので、12個のドーナツが2500円ほどで買えます。箱を開けた瞬間に様々なドーナツが12個並んでいる様子は大人でもわくわくするので、そう考えると比較的安価で良いお土産だと思います。毎回買って行くものですから、学校から帰って来た甥っ子たちは、玄関に私の靴があると「わ!ドーナツ!」となります。もはや私よりもドーナツです。それでも良いです。何しろ可愛い相続人たちですから。その日も夕飯の時に姉が「ねえ、パパとママが先に死んでたら、ちゃんとまーたんのお葬式もやってあげるんだよ」と言うと「うん。まーたんはどういうのが良いの?」と希望まで訊いてくれました。父の件で散々な目に遭っている私としては、とにかく死後に迷惑をかけたくないので、すでにエンディングノートを書いており、葬式もごくごく簡素にやってくれと。「まーたんの葬式、有村架純も来る?」「うーん、どうだろう。でもその頃には架純ちゃんもおばあちゃんじゃないかなあ。まーたんが来週死んだら、今の架純ちゃんに会えると思うけど」「ふーん」黙った甥っ子2号は、有村架純に会えることと、私が死ぬことを天秤にかけているようでした。どちらの皿が重かったかは聞かないことにしました。遅い時間には彼女と制服デートinディズニーから甥っ子1号が帰宅。「ねえ、何で制服で行くの?寒いじゃん。2人でネズミの耳とかつけてんの?恥ずかしくないの?てか、今度まーたんも制服でディズニー行きたい」「は?それ、捕まるだろ」あー、みんなどんどん大人になってゆくー。その日は少し身体がだるいなという程度だったので葛根湯を飲んで就寝。しかし翌日起きると咳と鼻水が止まらず、熱を計ると37度。平熱が35度代の私にとって37度はすでに高熱。こりゃまずいと思ったのですが、タイミング的にこの日しか午前十時の映画祭で上映している『パルプ・フィクション』を観に行く時間がなかったので、病院は午後にあとまわし。こういうところが良くなかったのだろうな。でもね、めちゃめちゃ面白かったです。その昔、ワシントンDCのレストランでketchupをCatch upと聞き間違え「catch up?どういうこと?何をcatch upすれば良いの?」とパニくり、店員の女性に「えーっと、ketchupというのはトマトのソースで」と説明されたことがあります。それよりも前に『パルプ・フィクション』を観ていればなあと思うシーンがありました。そして映画の帰りに病院に寄り、念のためインフルエンザの検査を受けました。結果は陰性でほっと一安心。薬を少しいただいて、その日も早々に眠りにつきました。水曜日も少々だるさはあったものの、働けないレベルではなかったので普通に会社に行きました。会社の仕事を終えてからはオフィス伊集院に行って、もういっちょお仕事です。この時期は音楽著作権使用の支払明細が各社から届くので、いつもより少し時間がかかります。明日は朝早くの新幹線で岡山に行くから早く帰りたいのにーと思いつつ、黙々と書類をスキャンしたり、数字をエクセル入力したりの事務仕事に励みます。そして木金は1泊で岡山の『季譜の里』で新しいホームページの撮影に。撮影となるとアドレナリンが出るのか、体調不良はさほど感じませんでした。それでも夕飯時にはスタッフの皆さんがわいわいお酒を楽しんでいるところ、ノンアルコールを貫き通し「ちょっと1軒行きますか」と温泉街に繰り出す皆さんを送り出して即就寝。翌日も昼時まで撮影をして東京に戻りました。そして土曜日、万全ではないもののやはり働けないレベルではないのでいつも通り8時半に出社です。そこからしばらく普通に働いていたのですが、午後を過ぎた頃から身体が震えるほどの悪寒がはしり、これはいよいよまずいという状態に。上司に「この感じだと明日お休みをいただくことになるかもしれません」と伝え、さすがに残業なしで帰路に。最寄り駅から家までは徒歩10分ほどなのですが、これほど家が遠く感じたことはありません。気を抜いたらぶっ倒れそうなので、マスクの下で「歩こう、歩こう…。私は元気…」とトトロの歌を呪文のように唱えながら必死で歩きました。そして何とか家に着き、顔を洗って歯を磨いてパジャマに着替えてベッドにばたん。ぜえぜえと熱を計ったところ何と39.4度。こりゃツラいはずだわ。以前であれば、水曜日の時点で100%まで回復していたと思うのですが、年齢を重ねて身体の回復にも時間がかかるようになったのだなと痛感しました。過信は禁物。今後は、これまで以上に健康に気をつけていこうと思います。

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2026.3.9 配信

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西山繭子さんINFORMATION

日本の女優、作家。東京都出身。
大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。
テレビドラマを始め、女優として活動。
最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。
著書に『色鉛筆専門店』『しょーとほーぷ』『ワクちん』『バンクーバーの朝日』などがある。

オフィシャルサイト→FLaMme official website