
台湾
2026-05-25 11:26:00
今月のお給料から、新たに「子ども・子育て支援金」という名の税金が天引きされるようになりました。4月から始まったこの制度、当初は独身税などと言って人々の分断を煽ろうとしていましたが、実際に始まってきちんと調べてみれば、すべての人から平等に徴収するもので、その額もさほど負担になるものではありません。もちろん独身子無しの私にとっては何の恩恵もない制度ですから「わー!そんな制度ができて嬉しいです!」となるはずはありません。それでも日本の未来にまったく貢献していない人間としては、きちんと支払わせていただきますとも。ただし、絶対に困っている子どもたちや家庭に使えよって話なのです。間違ってもこども家庭庁のフィンランド視察になんか使うなよって思うのです。偉い人たち、どうぞよろしくお願いいたします。でも、そうしてすくすくと育った子どもたちがいつか大人になって、高齢者になった私に特殊詐欺を働いたらなんて考えるとやるせない。やるせないけど、あながち絵空事とも言い切れない。現時点では明るい老後が待っているとは到底思えないので、やはり『いまを生きる』です。ということで先日、思い立って台湾に行ってまいりました。
台湾に行くのは実に15年ぶり。その時は舞台で共演した高山のえみと一緒に行ったのですが、数日の滞在なのにのえみのスーツケースの中に靴が7足とアロマキャンドルが入っていたことがあまりにも衝撃的で、旅の記憶がほとんどありません。誰かとの旅ってだいたいそうなのですよね。すごく楽しいのだけど思い出に残るのは一緒に過ごした時間ばかりで、土地の記憶があまりない。ですので今回は初台湾のような感覚でした。台湾行きを思い立ったのは池澤春菜さんの『光雨往来』を読んでのことでした。いいな、行きたいなと。航空券を調べたら、なんと25,990円。ホテルもさほど高くない。これは行くしかないでしょと即座にクリック。ここ最近気づいたのですが、旅というのは計画云々ではなくクリックをするかしないかなのです。往路は羽田早朝便ということで、初めてNearMeという乗合タクシーを使用しました。こちらの会社、口コミがピンキリで少々不安だったのですが、私の場合は何の問題もないどころか客が私しかいなかったので、半額以下でタクシーに乗れたのと同じでラッキーでした。運転手さんも感じが良く次回もぜひ利用したいです。そうして3時間ちょっとのフライトで到着した台北。私としては香港と同じ雰囲気をイメージしていたのですが、飛行機から一歩出た瞬間に肌を包んだ南国の空気と香りは、バンコクに近いものを感じました。初めての土地でも今では事前にSIMカードも買えますし、Google マップがあれば困ることはほとんどありません。それでも実際に行ってみないとわからないことというのは、やはりありまして、今回の旅でいうとまずは台北駅のデカさです。デカいなんて、ちょっと品のない言葉を使いますが「大きい」でも「巨大」でもなく、とにかくデカいんです。台北駅からすぐのホテルを予約していたのですが、空港MRTの改札からは果てしなく遠く、そして滞在の3日間は毎日迷子になりました。今回はいつか行くであろう母との台湾旅行の下見も兼ねていたので、こういったことは非常に勉強になりました。あとは暑さですね。どうして東京の気候がすこぶる良いこの季節にわざわざ来てしまったのかと後悔するほどの暑さで、日中の街歩きなんぞできるものではありませんでした。ただ困ったことはこの2つぐらいで、あとは大満喫の台湾でした。何をしていたかといえば、食と読書。ひたすら定番のものを食べ歩き、あとはのんびり読書です。魯肉飯に小籠包に麺線。何を食べても美味しくて、量がちょうど良いのですよね。これは一人旅には嬉しいです。そしてスイーツ。私はこれまでかき氷というものにまったく興味がなく、かき氷好きの友人がどんなに魅力を語ろうとも「でも結局のところ、かき氷ってのは水だから」と頑なに突っぱねていたのですが、台湾では毎日食べてしまいました。氷なのにふわふわって!あまりの美味しさに、友人に「今までごめんね」と詫びのメールを送ったほどです。あとは鹹豆漿(シェンドウジャン)という日本でも人気の台湾式朝ごはん。こちらも甘くない豆乳ってどうなの?と食わず嫌いだったのですが、スプーンをそっと口に運んだ途端、舌先に新しい世界が広がり感動。ああ、知らないものに出逢える喜びよ。本は吉田修一氏の『路』と呉明益氏の『歩道橋の魔術師』を持って行ったのですが、『路』は何度か読んでいるにも関わらず台湾で読むとまた違った味わいがあり、初めて読む呉明益氏の作品は新たな台湾文学の世界を私に教えてくれました。2泊3日という僅かな時間ではありましたが、多くの人が台湾の虜になる気持ちがよくわかった旅でありました。ということで、またすぐにでも台湾に行きタイワン。
2026.5.25 配信
日本の女優、作家。東京都出身。
大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。
テレビドラマを始め、女優として活動。
最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。
著書に『色鉛筆専門店』『しょーとほーぷ』『ワクちん』『バンクーバーの朝日』などがある。
オフィシャルサイト→FLaMme official website