暑中お見舞い申し上げます│西山繭子の「女子力って何ですか?」

西山繭子の「女子力って何ですか?」

Writer

西山繭子

#296

暑中お見舞い申し上げます

2026-08-09 11:37:00

 仕事中、窓の外で轟く雷鳴と雨音に「ああ、バスタオル」と悲しみに暮れる私。ここ最近はゲリラ豪雨がいつ何時やってくるかわからないので、家を出る時は洗濯物を室内に入れるようにしているのですが、その日はうっかり忘れてしまいました。今頃、ベランダでずぶ濡れになっているはず。バスタオル1枚ですから洗い直せば良いのですが、我が家のベランダを見上げた道行く人に「マヌケな奴め。プププ」と思われるのがイヤ。それを同僚に話すと「えー、そんなこと誰も思いませんよ」と言われたのですが、もし私が雨ざらしになっている洗濯物を見たら「この家にはマヌケな奴が住んでるんだなあ」と思います。心理学でいうところの投影の法則ですね。皆さんもゲリラ豪雨にはお気をつけください。
 7月は私にしてはとても忙しかったのですが、最近は比較的のんびりと過ごしています。8月に入り、まだ1週間ちょっとですが、映画館ですでに6本の作品を観ました。『トイ・ストーリー5』『白パンと独裁者』『デッドマンズ・ワイヤー』『モアナと伝説の海』『マイ・プライベート・アイダホ』『隣人たち』たまたまですが、ガス・ヴァン・サントが2作品。1991年公開の『マイ・プライベート・アイダホ』は、当時観た時はよくわかりませんでしたが、30年以上経って観てもやっぱりよくわかりませんでした。でも若き日のリヴァーとキアヌを眺めているだけで、とても豊かな102分。このあとに食べた日高屋の黒酢しょうゆ冷やし麺も美味しかったです。『トイ・ストーリー5』は1から4の内容はもはや覚えていないのですが、ここはやはり唐沢さんと所さんの声を聴かねばと吹替版を観に行きました。夏休みということもあり、館内は子どもたちでいっぱい。フードドリンクエリアには長蛇の列ができていたので、みんなお金持ちだなあと思いました。私がTOHOシネマズでポップコーンを食べるのは9日です。毎月この日は、ワンコインの500円でドリンクとポップコーンのセットが買えます。それが会員料金で観られる火曜日だなんてなったら、一粒万倍日と大安が重なったような気分です。その吉日、今年は6月だけだったのですが、来年はなんと2月、3月、11月の3回もありました。わーい、今から楽しみ。そして、その時にポップコーンと相性の良い映画が上映されていることを切に願います。いくらワンコインだからって『異端の鳥』や『シンドラーのリスト』を観ながらポップコーンは食べられません。その点『トイ・ストーリー5』は相性バッチグーな映画。上映中、ポップコーンを口いっぱいに頬張っていた子どもたちからは時折笑い声が聞こえて、おばさんは「うん。良き良き」と頷いておりました。しかしその後、映画館をあとにする少年の一言に、おばさんは混乱することになります。小学校5年生ぐらいの男の子が一緒にいたお母さんに「けっこうえぐかった」と言っているのを耳にしたのです。実のところ私、この「えぐい」の意味がいまいちわかっておりません。気持ち悪いとかそんな意味かなと何となく捉えていました。でも、そのようなシーンはなかったので「えぐい」の意味がますますわからなくなってしまったんですよね。これ以外にも「えもい」や「めろい」も正しい意味がわかりません。わかっていないから使えない。言葉ってそういうものですよね。少し前に職場で私が「わー、大変。剣呑、剣呑!」と言った時に、若い子たちが「ケンノンって何ですか?」と。そのうち『ほんやくこんにゃく』を使わないと若い子たちとお話ができなくなってしまうかもしれません。これは言葉だけではなく、感覚も然り。先日、ラジオのお仕事で高崎に行った際、美味しい水沢うどんを食べたあとにまだ時間があったのでスタバに入りました。私のなかではいまだに『スタバ=お洒落』なので、ちょっと緊張します。でもスタバの店員さんは皆とても優しい。ただしこれは世界共通ではなく日本だけ。ワシントンDCの店員は鬼軍曹みたいでしたよ。「ラテ?」「イエッサー!」「グランデ?」「イエッサー!」「エニシングエルス?」「ノー、サー!」みたいなやり取り。話を戻して高崎です。さて本でも読もうかとピンク地底人3号の『おもちゃの指輪がほしいねん』を取り出したところ、隣に座っていた青年がバカでかい声でリモート会議を始めたのです。「個人の定性定量が組織の目標数値とフィックスできるかが問題で」何だか難しい話をしているわ。でも、これって普通なの?スタバでバカでかい声でリモート会議をするのって普通なの?唖然とした私は本を開くこともできず、結局その会議に発言なしで参加している人みたいな感じで20分を過ごしたのですが、結局、彼らが話していることは言葉を変えながらも堂々巡りで、その上最終的に結論も出なかったため、私のなかではバカしかいない会社ということになりました。若者よ、バカ認定されたくなければリモート会議の場所には注意だよ。写真は『高崎じまん』で買ったハンカチです。NPO法人工房あかねの方が作ったガーゼハンカチ。可愛いペンギンに癒されます。

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2026.8.10 配信

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西山繭子さんINFORMATION

日本の女優、作家。東京都出身。
大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。
テレビドラマを始め、女優として活動。
最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。
著書に『色鉛筆専門店』『しょーとほーぷ』『ワクちん』『バンクーバーの朝日』などがある。

オフィシャルサイト→FLaMme official website