女優の休日│西山繭子の「女子力って何ですか?」

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西山繭子の「女子力って何ですか?」

#172

女優の休日

2021-06-14 15:36:00

 6月に入り、再開された鳥獣戯画展に行くことができました。開館時間を早めてくれたとはいえ、チケットは争奪戦。発売日はなかなかサイトにアクセスできず、ひやひやしましたが運良く手に入れることができました。展覧会史上初の試みである動く歩道に乗って、楽し気な動物たちを眺めます。訪れる前に見た展覧会の特集番組で大友良英さんが曲を作ったと知った時は「展覧会に音楽?」と思ったのですが、これがまた素晴らしく、鑑賞をさらに豊かなものにしてくれました。ああ、幸せ。きちんと感染対策をして、一切飛沫を飛ばすことなく作品を眺めるこれがなぜ自粛対象だったのか本当に不可解です。そして待ちに待った映画館も再開。念願の『グランパ・ウォーズ』を観ることができました。アメリカでは「デニーロはこんな作品に出て何を考えているのか」といった評価のようですが、私は大満足。デニーロ最高。どうか長生きしてください。そしてこの映画で大好きになったのはユマ・サーマン。クールなイメージしかなかった彼女がこんなに面白くてキュートな女優さんだったとは。一気にファンになりました。映画館も1席空けて、飛沫を飛ばすことなく鑑賞。これもまたなぜ自粛対象だったのか?もうY子のトリッキーな政策には首を傾げるばかり。新規感染者数はやや減少しているものの、街には人が溢れ返り、酒を提供する店は連日満席。通勤電車は相変わらず混んでいて、路上飲みのために街はゴミだらけ。まったくどうしたものでしょう。かく言う私も以前より危機意識が薄れているのは確かです。私自身、週4日は会社に行っていますし、撮影にも行っています。感染対策をきちんとしているとはいえ、人と接する機会は多い方だと思います。だから今日まで感染していないことに自分でもびっくりなのです。これだけ普通に生活をしていると、もはや何が不要不急の外出なのかわからなくなってしまいました。梅雨に入る前の貴重な晴れとなった先日も、せっかくの休日を有効的に使おうと朝から大忙しでありました。
 その日の朝は3時から始まりました。これはもう朝というレベルではないのですが目が覚めてしまうのだから仕方がない。ちなみに前日の就寝時間は20時です。ばっちり8時間睡眠。ここ最近の日の出は4時半頃なので、この暗いうちに執筆をします。一番集中できる時間です。4月から新しい担当マネージャーになったA氏(実に20年ぶりの担当!)に「本のことはよくわからないけど、作家なら新刊出しなよ」とさらっと言われて、いやごもっともと思いました。時間がないと言い訳ばかりを並べていた自分をビンタです。話はそれますが、先日、男からビンタされるマクロン大統領のニュースを見ました。もちろん暴力がいけないのはわかっていますが、立派な男がビンタされるのって何であんなに面白いんですかね。話を休日に戻します。執筆のあとは日課となった筋トレ&ウォーキング。心身のリセットにはとても大切な時間なのですが、身体が一連のエクササイズに慣れてしまったのか、なかなか痩せなくなったのが目下の悩みです。そしてシャワーを浴びたら朝食と語学勉強の時間です。と、ここまでは仕事がある日と同じルーティーン。普段はこのあと支度をして仕事に行きますが、この日は休日。図書館開館の9時に合わせて電動自転車で出発です。この日に借りたのは聖書にまつわる本を数冊。そして図書館から薬局、パン屋と回ります。パン屋では天然酵母を使ったライ麦パンなどを購入し、女子力の高さを見せつけます。その後は本日のメインイベント、三軒茶屋の西友に向かいます。やかんを買いに。女優、やかんを買いに西友へ。久しぶりの西友はとても楽しく、思わず長居をしてぶらぶら。すると子ども服売り場で、とても可愛いNIKEのスカート付き水着を発見!大坂なおみみたい!160サイズは身長155~165cmとあったので、よし大丈夫、と早速着てみることに。自分では健康的な雰囲気を醸し出すのではと想像していたのですが、試着室の鏡に映っていたのは「子ども用の水着を着用した変態のおばさん」でした。残念。無事にやかんを購入したあとは、しまむらと三恵を覗いてUVカット手袋やオシャレらくちんスラックスを購入。そろそろお腹がすいてきたなということで、以前CMをやらせていただいていた餃子の王将へ。メニューには『王将史上最辛・期間限定の野菜たっぷり担々麵』なるものが。そうは言っても、ファミリー層にも人気の王将。そこまで辛くはないだろうと高を括って注文したのですが、それが大間違い。すごく辛い。辛すぎる。そもそも辛いものが苦手なのに、私はどうしてこれを頼んだのだろう。でも残すのは申し訳ないと涙目になりながら必死で完食しました。そんな頑張った自分にコンビニでジャイアントコーンを購入。あ、だから痩せないのか。それでも大満足な休日でありました。買ったやかんはピカピカすぎて、パジャマ姿の私がばっちり映り込むほど。しばらく鏡にも使えそうですね。

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2021.6.14 配信

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西山繭子さんのINFORMATION

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西山繭子

日本の女優、作家。東京都出身。
大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。
テレビドラマを始め、女優として活動。
最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。
著書に『色鉛筆専門店』『しょーとほーぷ』『ワクちん』『バンクーバーの朝日』などがある。

オフィシャルサイト→FLaMme official website