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渋谷
2022-11-14 09:59:00
前回のコラムでマンションの契約更新をした旨を書きましたが、それにともない渋谷区民歴10年目に突入いたしました。とはいえ世田谷区民であった月日の方がずっと長いので、いまだ渋谷に対してさほど愛着がありません。こんなことを言ったらTV&Smileのボスであり、渋谷区観光大使を勤める生粋の渋谷っ子、小宮山雄飛さんに怒られそうですが、でもやはり「渋谷区に住んでいます」と口にしてみてもピンと来ません。多くの人が抱く渋谷のイメージとかけ離れた静かな住宅街に住んでいるからでしょうか。しかし自転車で15分ほど走ればそこはもうスクランブル交差点。今では世界で一番有名な交差点といっても過言ではないでしょう。私の友達の外国人たちもみんなが行きたがる場所であります。この数ヵ月、外国人観光客が再びやって来るようになり、交差点のど真ん中で立ち止まって写真を撮る迷惑行為をよく目にします。それは外国人のみならず。そしてその人波のピークは、記憶にも新しいハロウィンであります。私はハロウィンをやっているのはブスとバカしかいないと思っていて、ニュースなどで当日の様子を見ているとあながち間違いではないと頷いてしまうのですが、何よりも奴らのために税金が使われているかと思うと怒り心頭なのです。私が一生懸命働いて納めた渋谷区民税が、なぜブスとバカの祭典に。今年は韓国の悲惨な事故があったにも関わらず「ちょっと怖いなと思ったんですけど、人が多いところにはなるべく近づかないようにしようと思います」と小さな子どもを連れた家族が渋谷駅前でインタビューに答えている様子を見て世も末だと思いました。だめだこりゃ。私は会社に行くために渋谷を通るのですが、平日も週末も本当に人が多くて、今ではコロナ禍の静かだった日々が愛おしいとさえ思います。とはいえ自分も中高生の頃は何の用事もないのに、渋谷に行ったりしていたので同じ穴の狢かあ。アメカジ、チーマー、コギャルと移りゆく時代を目の当たりにした中学高校の6年間。日焼けサロンにも行ったし、アルバローザで買い物もしたし、東幹久最強と思っていたし、いつでもそこには渋谷がありました。しかしあの頃、自分が渋谷区民になるなんて思ってもいなかったなあ。もちろん渋谷区民になって良かったこともたくさんあって、そのなかで何よりも享受しているものといえば、やはり図書館です。きちんと数えたことはないけれど年間200冊以上は借りているはず。しかしこの夏にネットシステムが更新されてからというもの、新着図書がめちゃめちゃ見づらくなりました。私と同じことを考えている人がたくさんいるはず!とSNSを検索したのですが、そんな声は一切見当たらなかったので、慣れるように努力しようと思います。ちなみに今日借りたのは『暴力のエスノグラフィー』『江戸にラクダがやって来た』『漢字の語源図鑑』色んなことに興味がある私としては、図書館があって本当に助かっています。そうでなければ書籍代で破産している。そしてつい最近の享受といえば、11月1日からスタートした渋谷区デジタル地域通貨ハチペイ。私はどこのキャリアとも契約しておらずWIFI環境下でしかスマホを使えないので、スマホ決済の類を使っていません。なのでハチペイも然りと思っていたのですが、スタートしてから取り扱い店舗を調べたところ、ヘビーユーザーである薬局チェーン店が含まれているではないですか!しかもそこはWIFIが使える!ということで早速アプリをダウンロード。初回のアカウント登録で500ポイント、そして渋谷区民の私はマイナンバーカードの認証を行えば1000ポイントをもらえる上に今ならチャージに50%還元というものすごい大盤振る舞い。結果、2万円で3万1500円分のデジタル通貨を手に入れることができました。これで1年分のトイレットペーパーの心配はありません。そして最後に、皆さんに是非知っていただきたいお気に入りを紹介いたします。それは渋谷区内にある福祉作業所の商品です。私が利用したことがあるのは「おかし屋ぱれっと」と「すみれ工房」。最近は、手土産が必要な場合はここのお菓子を選ぶようになりました。デパ地下に行くと、溢れんばかりの素敵なお菓子に目がくらみます。もちろんそれらは当然美味しいし、いただいたら喜んで食べます。でもある日、これって「一流企業の秘書が選ぶ」ような高級品を、お金持ち同志でぐるぐる回しているだけだなあと気づいたのです。なので、私はその輪からはずれてみようと思いました。そもそもお金持ちでもないので、どうせ使うなら、何か意味のあることにお金を使いたいなと。ただ問題としては、福祉作業所の皆さんが作ったお菓子がとても美味しいので手土産のみならず、自分用にも買いすぎてしまうこと。ダイエットとの攻防を繰り返しております。写真は工房ぱれっとで作られている『らぶらび』という商品。まわりの友達にも可愛いと評判です。25年以上使っているLL.Beanのトートによくはえます。
2022.11.14 配信
日本の女優、作家。東京都出身。
大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。
テレビドラマを始め、女優として活動。
最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。
著書に『色鉛筆専門店』『しょーとほーぷ』『ワクちん』『バンクーバーの朝日』などがある。
オフィシャルサイト→FLaMme official website