https: お金の使い方│西山繭子の「女子力って何ですか?」

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西山繭子の「女子力って何ですか?」

#208

お金の使い方

2022-12-11 23:04:00

 ごきげんよう。日清シスコのココナッツサブレが止まらない西山です。久しぶりに購入してみたところ、昔と違って4枚入りの小分け包装になっていました。これなら安心安全と思ったのですが、4枚食べ終えたら無意識のうちにもう1袋開けてしまうという怪現象。恐るべしココナッツサブレ。株主優待でココナッツサブレ詰め合わせを選べるのであれば、日清食品の株を買いたいほど。株といえば、そろそろ来年のNISA枠をどう使うか考え始める季節となりました。銀行に預けていても金利は二束三文ですし、最近の銀行の待ち時間と対応の悪さには辟易しているので、なるべく銀行にはお金を預けたくありません。そうかと言って、毎日株価とにらめっこなんてドライアイの私が出来るはずもなく、のんびりと負担のない投資をしています。こういったことを私は40代になってから始めましたが、学校できちんと教えて欲しかったなあとつくづく思います。それはお金の使い方に関しても。
私は、毎日アプリで家計簿をつけています。支出だけを入力する簡単なものですが、自分が何にお金を使ったのかが一目瞭然です。食費、光熱費、交通費、医療費などなど、項目別に色分けされた円グラフを見ると「今月は美味しいものを食べすぎたな」とか「洋服を買わなきゃ良かったな」などと反省点が浮き彫りです。この項目の分類にはマイルールがいくつか存在します。例えば外食費と交際費。どちらも外で食事をした場合なのですが、前者は1人の時。ただし、テイクアウトの場合は食費になります。軽減税率みたいな感じですね。交際費はその言葉通り、誰かとわいわい食事をした場合。はたまたプレゼントやご祝儀、香典もここに含まれます。人と関わり合うお金ということですね。また寄付という項目。毎月寄付をしている国境なき医師団がここに分類されているのは普通なのですが、マイルールではお年玉もここに入れています。毎年1月は、円グラフでこの項目が存在感を放ちます。そろそろ銀行で新札を用意しなくては。甥っ子×3で300万。セレブって大変です。この円グラフは年間での総計を見ることもできるのですが、一年も終わりに近づいた今、断トツでお金を使っている項目があります。それは『趣味・娯楽費』。今年はとにかくここにお金を使いました。1月の「志の輔らくご」から始まり、「ラ・マンチャの男」「SINGIN’ THE RAIN 雨に唄えば」「フォーティンブラス」「ドン・キホーテ」「ミス・サイゴン」「志の輔らくご牡丹灯籠」「LALALAND LIVE in Concert」「白鳥の湖」「TUBE Reunion」「シソンヌLIVE11」「富士河口湖ピアノフェスティバル」「TUBE Reunion LIVE VIEWING」「男闘呼組1988」「Bruno Mars Japan Tour2022」「神田伯山Plus」「KingGnu Live at TOKYO DOME」「Maroon5 Japan Tour」忙しい日々を送りながらも、色々と観に行ったなあ。昔と違ってチケット代もだいぶ値上がりしているので、一番の出費となりました。普段、電車に乗るのに回数券を購入してまで節約に努めている私ですが、この『趣味・娯楽費』に関しては迷いなくお金を使います。それは、これらが「生もの」だからです。思い立ったが吉日。このコロナ禍を経て、「今度」や「次の機会」なんて存在しないという考えになりました。また、この『趣味・娯楽費』にはフランス語の授業料や、美術館、博物館の入場料なども入ります。幅広いようでありますが、その全ての共通点として言えることは、モノとしては手元に何も残らないということ。すべては己のなかに。ここに、私の好きな言葉があります。「Own only what you can always carry with you: know languages, know countries, know people. Let your memory be your travel bag.」日本語にすると「常に持ち運べるモノのみ持ちなさい:言語を知りなさい、他国を知りなさい、人を知りなさい。あなたの記憶だけを旅行バッグにしなさい」という意味になります。これはアレクサンドル・ソルジェニーツィンというロシアの作家の言葉です。ロシア人なのに何で英語なんだという疑問は置いておいて、私はこの言葉に出逢ってから、それまで以上に色んなことに対して好奇心を持つようになりました。そして行動するようになりました。ありがとうソルジェニーツィン。代表作『収容所群島』は難しすぎて5ページでギブアップしてしまったけれど、ありがとうソルジェニーツィン。そんなわけで、これからも『趣味・娯楽費』には心のままにお金を使おうと思います。でも、その前に『手袋費』を捻出しなければ。

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2022.12.12 配信

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西山繭子さんのINFORMATION

Writer

西山繭子

日本の女優、作家。東京都出身。
大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。
テレビドラマを始め、女優として活動。
最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。
著書に『色鉛筆専門店』『しょーとほーぷ』『ワクちん』『バンクーバーの朝日』などがある。

オフィシャルサイト→FLaMme official website