https: 春はすぐそこ│西山繭子の「女子力って何ですか?」

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西山繭子の「女子力って何ですか?」

#213

春はすぐそこ

2023-02-27 09:28:00

 月日が流れるのは早いもので、タカノフーズ『おいしいからこの笑顔キャンペーン』でおかめちゃんエコバッグが当選してから2年が経ちました。(第157回『シャネルvsおかめちゃん』参照)しかし翌年は、バーコード5枚で応募できる神戸牛や蟹、3枚で応募のりんごやみかん、2枚で応募のエコバッグ、と思いつきでばらばらとハガキを出したところ、何も当たらずに涙をのむ結果となりました。その反省を生かし、今回はバーコード3枚で応募できる青森産サンふじりんご10kgに全てを賭ける作戦に。雨の日も晴れの日も、毎日せっせと納豆を食べ、応募したのは21口。納豆3パックにつきバーコード1枚ですから、数ヵ月で189パックの納豆を食べたことになりますね。我ながら良い食べっぷりであります。そのため、この冬は、りんご10kgがいつ届いても良いように、りんごを買い控えていました。佐川急便のお兄さんが届けてくれる段ボールを開けると、そこには真っ赤で艶やかなりんごちゃんが。私は皮ごと食べるのが好きなので、キュキュッと軽く磨いてからいただきます。北の大地で太陽の光をいっぱい浴びて、朝夕の冷え込みでぎゅっと実が引き締まった果肉。一口齧れば口の中に甘みが広がります。ああ、なんて美味しいのかしら!タカノフーズさん、ありがとう!そんなことを想像してはうっとり。しかし待てど暮らせど、そのりんごが届きません。おかしいと思い、ツイッターで検索してみると何と!当選者から続々と喜びの声が上がっているではありませんか!みんなどれだけ納豆を食べているの!?ああ、悔しい。次回は200パックを目標に、さらにバーコードを集めようと思います。こういった懸賞に応募していると「りんご買った方が早くない?」という声が聞こえてきますが、そういうことではないんだなー。転売サイトでバーコードや応募券が売られているのを見かけますが、そういうことではないんだなー。自力で応募して当選するからこその喜びなのですよ。ここ最近当選して手に入れたものは、スーパーの商品券5000円分、プロテインバー12本、レストラン食事券5000円分、クオカード1000円分、そしてバルミューダのケトルです。ケトルに関しては、商品詰合せ2000円分を50名様に、というB賞を狙っての応募だったのですが、なんとA賞のバルミューダケトル5名様が当たってしまいました。本来であれば喜ばしいことなのでしょうが、詰合せが欲しかった私はがっかり。詰合せには「わー!こんなに入ってるー!」というわくわく感があるんですよね。ということで、ケトルは欲しがっていた離婚ほやほやの友人にプレゼント。
 と、こんな風に数々当選していると、ここで運を使い果たしてはいないだろうかと心配になるのですが、先日、その最上級ともいえる運の使いっぷりをしました。なんと2月23日に行われた天皇誕生日一般参賀に行ってきたのであります。即位後初の天皇誕生日ということで、4800人の枠に6万1000人の申込があったそうです。その当選倍率は12.6。日々、父親から尊厳ゼロの扱いを受けている私に神様がご褒美をくださったのだわ。ありがたやー。小学3年生の甥っ子からは「ママから聞いたんだけど、まーたん、天皇陛下のお誕生日会にお呼ばれしたって本当?」と尋ねられ「うん、本当だよ。今、何を着て行こうか考えてるところ」と答えました。嘘ではありませんからね。ということで行って参りました一般参賀。コロナ禍以前にも何度か行ったことがありますが、15年ぶりの宮殿東庭です。あらかじめ決められた立ち位置で、日の丸小旗を手に、お出ましの時間を待ちます。わくわく。どきどき。日本に生息するおばさんという生き物のほとんどは、皇室が大好きです。数々のゴシップを耳にしても、結局のところ皇室が大好きなのであります。曇天だった空はいつの間にか晴れわたり、それさえも「さすが天皇陛下」と思うのです。そしてガラス窓の向こうに皆様がお目見えになりました。高揚感に包まれた国民たちが、一斉に日の丸を降ります。あまり愛国精神など持ち合わせていない私ですが、この時ばかりは自分が日本国民であることをひしと感じます。天皇陛下が、雅子さまが、愛子さまが、笑顔で手を振ってくださっている。ああ、何という喜び。天皇陛下がお話を始められます。この冬の大雪や寒さによって被害に遭われた方へのお見舞いのお言葉。政治家の口から放たれるそれに慈しみはないけれど、天皇陛下のお言葉には人々の心を癒す力があります。「寒さの中にも、日ごとに春に向かっているのを感じます」はい!ヒートテックにホカロンを4枚貼った私の身体は、ダウンコートの下で汗ばんでおります。「皆さん一人一人にとって、穏やかな春となるよう願っています」はい!日夜、父親が留守番電話に怒号を吹き込んでくるので、自分に余裕がない時は携帯の電源を切ります。「皆さんの健康と幸せを祈ります」はい!よく食べてよく寝ます!そして人に思いやりをもって接します!ああ、春はすぐそこですね。天皇陛下に祈ってもらっているのだから、幸せにならねば。

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西山繭子さんのINFORMATION

Writer

西山繭子

日本の女優、作家。東京都出身。
大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。
テレビドラマを始め、女優として活動。
最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。
著書に『色鉛筆専門店』『しょーとほーぷ』『ワクちん』『バンクーバーの朝日』などがある。

オフィシャルサイト→FLaMme official website