https: 江ノ島│西山繭子の「女子力って何ですか?」

全く新しい大人のwebマガジン

西山繭子の「女子力って何ですか?」

#223

江ノ島

2023-07-24 10:39:00

 前回のコラムで「今年こそ買おうかな」と書いた扇風機をとうとう購入いたしました。毎年夏になるたびに買おうかどうか迷い続けて、そして秋になるということを繰り返して10年。きっと私は人生最期の日まで団扇であおぎ続けるのだろうと思っていましたが、災害級といわれる猛暑に、これはもう買うべきであろうという判断をくだしました。10年越しですからね、せっかくならば良いものをとバルミューダの扇風機を選びました。汗だくで家電量販店から帰宅し、いそいそと組み立て作業。そして電源を入れ、そよぐ風に吹かれた瞬間「この10年間は何だったのだろうか」と心の底から思いました。振り返ってみてもこれまで「もっと早く買っておけば良かった!」と思ったものは、すべて電化製品。マキタの掃除機、パナソニックのヘアアイロン、パナソニックの衣類スチーマー、テスコムの毛玉取り、BOSEのノイズキャンセリングヘッドホン。皆さんがもし購入を迷っている電化製品があったら、すぐに買うことをお勧めします。迷っているその1分1秒がもったいないです。10年もロスした私が言うのですから、間違いありません。
 ニュースを見ていると、この猛暑でも、たくさんの人が夏を満喫しているようですね。私はといえば、夏は勤めている会社が超繁忙期なのでTUBEの横浜スタジアムLIVE以外は、ひたすら仕事と思われます。それは少し寂しいなということで、世の中のちびっ子たちが夏休みに入る少し前に、夏らしいことをしておこうと江の島にドライブに行って来ました。ペーパードライバー講習をしたとはいえ、まだまだ運転に不安がある私。今回もカーシェアの車に乗り込んで「あれれ?」ときょろきょろ。隣にバンを止めていた作業着のおじさんに「すみません、手で引くサイドブレーキがない場合、どこにありますかね?」と尋ねました。「足元にあるんでない?てかお姉ちゃん、大丈夫か?」「ああ!そうだ、ここだった!はい!大丈夫です!」優しいおじさんは駐車場から公道に出るまで誘導してくれました。まずは母を迎えに行きます。前日に「車の中で食べるように、朝ごはんにサンドイッチでも作っていこうか?」と言われましたが、運転中の手は10時10分を厳守で水を飲むことさえできない私。その私がサンドイッチなんて食べられるはずもないので、丁重にお断りしました。都内から江の島への行き方はいくつかありますが、ナビが示したのは第三京浜を通るルート。その昔、何度も運転をした道ですが環八からのカーブは、やはり緊張します。この時点で手汗びっしょり。しかし、この先には今日最大の懸念事項であるETCが待っています。数ヵ月前にカードを作ったのですが、使うのは今回が初めて。開かなかったらどうしよう。母と2人で「大丈夫かな、大丈夫かな」とドキドキしながら、時速20kmどころか5kmまで減速してそろりそろり…。すると次の瞬間、目の前のETCバーがパッカーン!「わー!すごーい!やったー!」こんなことで喜べる私と母は、つくづく幸せ者だなと思います。あとはナビの指示に従い、一路海を目指します。実は今回、江の島に行こうと思い立ったのは、スーパーマルエツとS&Bのコラボキャンペーンで『珊瑚礁』の5000円分お食事券が当たったからなのです。色々と応募してみるものですなあ。車は順調に1時間半ほどで江の島に到着。ランチにはまだ早いので、江の島のシーキャンドルに登ってみることにしました。ここ最近、キャンドルという言葉に心がざわつきますが、展望台から見えた景色はその心も晴れやかにするほど美しいものでした。そして、いざ『珊瑚礁』へ。車内のBGMはもちろんTUBEです。もう完璧。『珊瑚礁』では2人ともシーフードカレーを食べたのですが、母のお皿にちらりと目を向けると、私とまったく同じように大きな海老を最後に残しており、親子だなあと思いました。その母が道中、「この歳になってドライブを楽しめるなんて思っていなかったから、すごく嬉しい」と助手席で言っていました。確かに私が車を所有していた20代の頃は、母を連れてドライブなんてことはほとんどありませんでした。友だちや彼氏と遊ぶことしか考えていなかったし、母と私では行きたい場所も違いました。それが40代と70代になった今、行きたい場所が満場一致で道の駅なのですから、年齢を重ねることも悪くないと思うのです。ただ、江の島界隈には道の駅がないため、今回はJAよこすか葉山の農産物直売所『すかなごっそ』へ。ドライブ前に少し調べていて「こんなところがあるから行ってみようか」という軽い気持ちで行ったのですが、ここがもう大当たり!母娘、テンションMAXで野菜を買いまくりました。さあ、次は母とどこにドライブに行こう。家にあった地図を手に取ったのですが、なんとこちら1999年発行のものでした。ナビがなかった当時、これを見ながら運転していたなんて、今となっては考えられません。

image2

2023.7.24 配信

最近のコラム

西山繭子さんのINFORMATION

Writer

西山繭子

日本の女優、作家。東京都出身。
大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。
テレビドラマを始め、女優として活動。
最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。
著書に『色鉛筆専門店』『しょーとほーぷ』『ワクちん』『バンクーバーの朝日』などがある。

オフィシャルサイト→FLaMme official website