https: ありがとう2023年│西山繭子の「女子力って何ですか?」

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西山繭子の「女子力って何ですか?」

#233

ありがとう2023年

2023-12-25 10:55:00

 若い子たちがMBTIの話で盛り上がっていたので、「それって動物占いみたいな感じ?」と尋ねたところ、誰も動物占いを知らなくて驚いた西山です。彼女たちはMBTIがどれほど素晴らしいものかを説明をしてくれましたが2分で興味を失った私は「ふーん」とその場を去りました。師走ですからね、興味がないことに時間をさいている余裕はありません。ということで、今回は年末恒例となりました2023年の振り返りでございます。
 1月、45歳になり「四捨五入したら50」ということで、それ以降は年齢を訊かれた際には「だいたい50です」と答えることに。「ええ!見えないですね!」そりゃそうだ。だって50じゃないもん。ちなみに50歳になったら四捨五入をして「だいたい100です」と答えようと思っています。2月、父の使いで休日なし。唯一の息抜きはバレンタインの日に行ったバック・ストリート・ボーイズのLIVE。まったくボーイズではないけれど、胸キュンでした。LIVE後は「今夜はアメリカって感じ」ということで、TGIフライデーズへ。高カロリー万歳。またいつかアメリカに行きたいなあ。3月、映画に舞台に落語にバレエにと、芸術鑑賞にひたすら散財。この頃に読んだミシェル・ザウナー著『Hマートで泣きながら』が素晴らしかった。韓国系アメリカ人の物語であったこともあり、いかに良い本だったかを父に話すと「で、あなたはきちんと書いているの?」と。遠くを見つめて聞こえないふりをする。4月、アメリカにいる友人が脳血栓で突然この世を去る。ドナー登録をしていた彼は脳死判定のあと、すぐに臓器提供へ。ストレッチャーで運ばれる彼を、病院でたくさんの友人たちが拍手で送り出していた。まるでヒーローみたいだった。トモちゃん、ありがとう。5月、ドラマ『初恋、ざらり』クランクイン。会社員のため、有休休暇を使いながら撮影に励む。なかなか聞かないワークスタイル。その上、オフィス伊集院の仕事に、執筆にと、なかなか忙しいので体力温存のために、しばし遊びは封印。6月、ドラマの撮影が続くなか、フラーム25周年のスチール撮影へ。所属女優のあれこれで、事務所がかなりゴタゴタしている渦中での撮影は、むしろみんなの連帯感を生むことに。必ずやいつか社長に恩返しをと思い「50周年まで頑張ります!」と宣言。70歳か。まだまだいけますね。7月、ひたすら働く。日記を読み返しても「疲れた」「むかつく」「へとへと」「つらい」のオンパレード。どんな夏だよ!8月、夏らしいことをと思い友人と有楽町のビアガーデンへ。夏を取り返せとばかりにGUで買ったショートパンツをはいていく。女4人、楽しすぎて飲み過ぎる。当然、記憶を失う。そしてあと50mで家というところで力尽き、履き慣れぬヒールの高いサンダルで思いっきりこける。ショートパンツがあだとなり膝から大流血。翌日、20代の頃からお世話になっている形成外科へ行く。「またやっちゃったの?」という言葉を飲み込んで、何も言わずに診てくれる先生の優しさが心にしみる。9月、父と病院へ行くこと3回。血液検査、胃カメラ、脳のMRI。いずれも問題なし。今となってはCT検査も受けていればと悔やむばかり。『ナポレオン街道』の出版祝いの食事の際に、ナポレオンの肖像画がプリントされたTシャツを着てきた娘を見て「それで歩くの、恥ずかしくないの?」と言いながらも嬉しそうな父。8月末からはずっと東京にいたため、父はいつも食事の相手を探していました。それになかなか応えられなかったことも今となっては後悔しかありません。10月、母と一緒に姉のフライトでロンドンとパリへ。その間も毎日のように東京にいる父のまわりの編集者さんから連絡を受け、不安が募る。帰国した足でスーツケースを片手に山の上ホテルへ。それからは怒涛の日々。11月、胸が張り裂けそうな日々が続く。精神的に追い詰められて、へこたれそうになる。しかし、それを救ってくれたのは、姉と母をはじめとする私のまわりにいる人たち。私はこれほどまでにたくさんの人に支えられていたのだなと改めて感謝。そして自分の足できちんと立つことがどれだけ大切かを知る。12月、まだまだ大変な日々が続くけれど、物事には必ず終わりがくるのだからと、楽観的に、そして普段通りの生活を心がける。誠実に仕事をして、きちんと食べて、たくさん笑って、たっぷり眠る。そして来年はまた元気な私に!2023年もお付き合いいただき、ありがとうございました!来年もどうぞよろしくお願いいたします。写真は先日行ったそっくり館キサラにて、まねだ聖子さんと。わたくし、聖子ちゃんを前に完全に舞い上がっております。

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2023.12.25 配信

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西山繭子さんのINFORMATION

Writer

西山繭子

日本の女優、作家。東京都出身。
大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。
テレビドラマを始め、女優として活動。
最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。
著書に『色鉛筆専門店』『しょーとほーぷ』『ワクちん』『バンクーバーの朝日』などがある。

オフィシャルサイト→FLaMme official website