https: こんにちは2024年│西山繭子の「女子力って何ですか?」

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西山繭子の「女子力って何ですか?」

#234

こんにちは2024年

2024-01-08 12:58:00

 みなさま、2024年もどうぞよろしくお願いいたします。しかし、年明けから立て続けに大変なことが起きていますね。まずは地震の被害に遭われた皆様に、謹んでお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。元旦から本当につらいニュースでした。そして翌日は羽田空港での事故。亡くなられたのが被災地に物資を届けるために活動していた海上保安庁の方々だけに胸がつまります。私は、姉がCAをやっていることもあり、テレビで炎に包まれた機体を見た時は震えが止まりませんでした。全員が脱出できたのは、まさに訓練の賜物。姉には、今後も真面目に訓練に取り組むように伝えました。ただ本音を言えば、姉のことが大好きな私としては、今回の件でもう仕事を辞めてもらいたいとさえ思いました。でも年末ジャンボも当たらなかったので、その願いを叶えるのは難しそうです。
 そう、年末ジャンボですよ。毎年バラ10枚を購入していたのですが、2023年の後半はあまりにも悲惨な日々だったので「こんなにツラい思いをしているんだから10億円当たるはず」と、さらに連番10枚も購入。さあ、これで私も億万長者に!と鼻息荒く番号を照らし合わせましたが、いつも通りの下1ケタの当選のみでした。ちなみに私の知人で1番の高額当選は2000万円です。その人はまったくお金に困っていないので、世の中ってそういう仕組みなのだなあと思います。いやはや、今年も地味な年末年始でありました。大晦日はまだ暗いうちに家を出て、父の事務所で粛々と片づけ。感情を動かさずに「これはお仕事です」と自分に言い聞かせてやるのがコツ。色々考えると悔しくて泣きそうになるので、心の感度は常にオフ。この数ヵ月、メンタルをやられない対策を色々と試してみたところ、この感度オフというのは、とても有効だということがわかりました。基本はきちんと食べて、よく眠ることなのですが、他には「テンションがあがる曲を聴く」「20秒以上ガッツポーズをする」「なるようになるさ!と笑顔で言ってみる」などなど。私はこれをすべて朝のウォーキングの際に実行しています。傍から見ると完全に危ない人ですが、今は己のメンタル優先。大晦日の朝も、もちろん実行いたしました。そして片づけをお昼には終わらせ、ゆで太郎で年越そば。ゆで太郎とはいえ、そこは女優らしくえびの天ぷらをのせましたけどね。帰宅してからは、来たる確定申告に向けて領収書の整理をしつつExcelで帳簿を作成。2024年はExcelのスキルも上げたいなあ。ぜひともSUM以外の関数を使ってみたい。そんな風に過ごしていたらあっという間に夕方です。数年前から大晦日であっても0時前に寝るようになったので、この日も早めにお風呂に入り、就寝の準備。もちろん紅白歌合戦は見るのですが、年々増える初見アーティストについていくことができません。少し前に20代の子と紅白の話をしていた時に「新しい緑黄色野菜…みたいな」と言うと「なんすか、モロヘイヤですか?言いたいことは何となくわかるんですけど、西山さん、全然惜しくないです」と爆笑されてしまいました。こうして歳をとっていくのですねえ。バブで一年の疲れを癒してから、2023年の最後の晩餐は「テキトーポッサム」。豚バラ、もやし、ニラ、人参、キムチを用意して、サニーレタスで巻いていただきます。コチュジャンで作ったタレを合わせれば、立派な韓国料理です。ああ、2024年は韓国にも行きたいなあ。それにしても大晦日っぽくないメニューだなあ。そんなことを考えながら『新しい学校のリーダーズ』と『緑黄色社会』を見届けました。そして21時就寝。翌朝4時に目覚めれば新年です。今年も頑張ろう。元旦はいつものように母の家へ。新年最初のお酒は良いものをと毎年ヴーヴクリコを買って行くのですが、値上がりの一途なので、そのうち小瓶になるかもしれません。この『新年最初』に私は妙なこだわりを持っています。なので1月2日に観に行く映画はかなり悩みました。新年最初がトラン・アン・ユアン監督の『ポトフ 美食家と料理人』なんて美しいではないですか。うんうん、女優っぽい。でも、少し長いなあ。うーん。そうして悩んだ私が選んだのは『スーパーバッド 童貞ウォーズ』。2024年もひたすら私らしく。こちら16年前の映画なのですが、最高に面白かったです。セス・ローゲン、ジョナ・ヒル大好き。新年から映画館で声をあげて笑いました。幸先の良いスタートです。
 最後になりましたが、これが更新される今日は成人の日であります。例年通り伊集院静が書くサントリーの広告が掲載されて驚かれた方も多いかもしれません。昨年10月、病室で父と一緒に紡いだこの言葉を、無事に皆様に届けられたことを心から嬉しく思います。それと同時に少し切なくもあります。あの日、父が「娘が物書きで良かったよ」とぼそりと言った言葉が耳から離れません。物書き、しっかりやらないとね。

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2024.1.8 配信

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西山繭子さんのINFORMATION

Writer

西山繭子

日本の女優、作家。東京都出身。
大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。
テレビドラマを始め、女優として活動。
最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。
著書に『色鉛筆専門店』『しょーとほーぷ』『ワクちん』『バンクーバーの朝日』などがある。

オフィシャルサイト→FLaMme official website