https: STE100│西山繭子の「女子力って何ですか?」

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西山繭子の「女子力って何ですか?」

#252

STE100

2024-10-14 11:33:00

 普段、土日は8時過ぎには出社をして仕事をしています。この生活になって今年で7年目に突入。もう慣れましたし、むしろ土日に有休をとって出かけたりすると、人の多さに圧倒されてしまいます。ですので、よっぽどのことがなければ土日は働いていたい。しかし、先日その「よっぽど」なイベントがあったため、久しぶりに有休をとりました。そのイベントとは『STE100』、須永辰緒DJ40周年&誕生60周年記念フェスティバルであります。辰緒さんとの出逢いのきっかけは、赤羽のまるます屋での飲み会だったか、吾妻橋のわくい亭での飲み会だったか、屋形船での飲み会だったか、定かではありませんが、まあ飲み会だというのは確かです。それが縁でコロナ禍前には毎年、笹塚ボウルで開催していた『吉田類と仲間達』というチャリティイベントに呼んでいただいたり、『夜ジャズ』では定期的にDJもやらせていただきました。私の自由すぎる選曲に「西山さんじゃなかったら、ぶん殴ってますよ」と笑顔の辰緒さん。みんなが大好き辰緒さん。それだけにフェスに出演する方々も、それはそれは豪華でありました。当日はあいにくの雨でしたが、多くの客がレインコートに身をつつみ、気ままに音楽を楽しんでおります。こういった音楽イベントに来るのはいつぶりかなあとビールを片手に考えてみると、辰緒さんのDJ30周年イベントin新木場ageHaだったと思い出し、色々と出不精になっている自分に気づきます。ステージではSOIL&HEMP SESSIONSがライブの真っ最中。ジャズにはまったく詳しくない私ですが、音に身体を委ねているだけで楽しい。ああ、どしゃ降りだけど良き休日。普段は家のことを片付けて、映画を観に行って、本を読んで、早々に就寝という過ごし方が好きですが、たまにはこんなのも良いものですね。久々に会う友人たちと言葉を交わしたり、はじめましての人を紹介されたり。そこには、ここ数年で最も社交的な私がいました。唐揚げも美味しくて、いつの間にかシャンパンなんて飲んじゃって、ああ、テキーラで乾杯もしたし、カレーも食べた。そのあとT字路sの『襟裳岬』で思わず涙をしたのは、お酒が入っていたからなのか、いやいや、やはり歌の力でありましょう。そう歌の力。このあとに出てきたスチャダラパーのステージで『今夜はブギー・バック』が始まった瞬間には大興奮でありました。この曲がリリースされたのは1994年。30年の時を経ても一言一句違わず口ずさめるのは、古典の授業中に漢詩そっちのけでリリックを覚えた努力の賜物です。曲とともに蘇る16歳の記憶。「東幹久が渋谷の日サロから出てきてジャガーに乗り込むの見た」という都市伝説のような話で盛り上がっていた懐かしき日々。あの時は、数十年後にその東幹久がクリスマスに我が家に来て、炬燵でうちのお母さんのおにぎりを食べる日が来るとは思ってもいませんでした。人生って本当に何があるかわからない。そしてイベントの最後には本日の主役、須永辰緒さんが登場です。そこで一緒にステージに立つのは野宮真貴さんと横山剣さん。エンターテイナーとは、まさにこのことというパフォーマンスです。お二人とも64歳だというからびっくり。こんな素敵な人たちを見ていると、歳をとることが怖くなくなります。長生き願望はまったくないけれど、iDeCoの給付があるので60歳までは生きられればと思っています。そしてそして、大団円は日本を代表するラッパーたちの登場だYO!その昔、クラブチッタで開催されていた数々のイベント『メインストリート』『青山ナイト』『スモーキンガレージ』。そこで圧倒されたRINOのラップはもちろん今も健在で、今夜は家に帰ったら久々に『もうひとつの世界』を聴こうなんて思ったり、そして相変わらずZeebraはカッコ良くて胸アツです。高校生の頃「一緒に写真を撮ってください」の一言が言えなくて、後方で誰かと談笑しているZeebraが写り込むように友人たちと自撮りをしたことがあります。当時は「写ルンです」ですから、うまく写っているかは現像しなくてはわかりません。そしてあがった写真は、全員のおでことZeebraという残念な構図。それでも焼き増しをして、みんなが手帳にはさんでいたなんて、なんてピュアな17歳でありましょう。その頃の私は、数十年後にそのラッパーたちを音楽でひとつにまとめる番長のような人と「還暦、そしてジャイアンツ優勝おめでとうございます!」と笑い合えるなんて、もちろん思ってもいなくって、そう考えると私が歩んできた道はなかなか悪くないなと。写真は会場で購入したTシャツです。洋服買ったの半年ぶり。

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2024.10.14 配信

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西山繭子さんのINFORMATION

Writer

西山繭子

日本の女優、作家。東京都出身。
大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。
テレビドラマを始め、女優として活動。
最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。
著書に『色鉛筆専門店』『しょーとほーぷ』『ワクちん』『バンクーバーの朝日』などがある。

オフィシャルサイト→FLaMme official website