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韓国視察
2026-07-27 11:47:00
20年ぶりに韓国に行って来ました。ここ近年の韓国人気たるやすさまじく「月1回は韓国に行っています」という人たちの話もよく耳にします。それはエンターテイメントだったり美容だったりと理由は様々ですが、実のところ、それらの韓国アゲに対して、私個人としては非常に懐疑的でした。なぜかと言うと、私に半分韓国の血が流れているからです。だから、いまいち信用できないんですよね。何しろ国を背負ってW杯を戦ってきた代表監督を国民総出でめったうちにする国ですから。そんなニュースを見るたびに血が滾りまくっているなと思います。しかし、その血はしっかりと私にも流れていて、祖母の四十九日に山口の仏間で叔母と怒鳴り合いの大喧嘩をした時などは、もうリアル韓国ドラマですよ。喪服で髪を振り乱して激高しながら「ああ、これが韓国の血か」と客観視している自分がおりました。そして、そのあと何事もなかったかのように一緒にフグ鍋を食べて、帰り際には「いいから、持って行きなさい」とおこづかいを握らされちゃうあたりも非常に韓国的だなと。とにかく家族、家族。自分たちの一族が命です。私にとっての韓国はそんな国。そんな国をみんながこぞって好きだという理由はどこにあるのだろう?これは自分の目で確かめてみねば。ということで「視察」に行ってみることにしたのです。
若い女性たちに韓国の魅力を尋ねるとK-POP、コスメ、グルメ、カフェ巡りといった答えが返ってきます。K-POPに関してはBTSにおいてテテとVが同一人物であることを最近知ったほどですし、コスメはやはり資生堂が最強だと思っていますし、グルメはまあ興味あるけれど、カフェ巡り?は?韓国でわざわざカフェ?と首を傾げてしまいます。ということで、視察旅行でまず最初に向かったのはユッケビビンパを出す定食屋。日本ではなかなか食べられなくなったユッケ。口にするのは何年ぶりかしら。パンチャン(キムチなどの小皿のおかず)と共に並べられたそれを「いっただきまーす」と食べようとしたところ、店のアジョシ(おじさん)がすっ飛んできて私のスプーンを取り上げました。何事かとアジョシを見上げると、アジョシはひとつ頷き、スプーンでユッケビビンパを丁寧にまぜまぜまぜまぜ。さらに、まぜまぜまぜまぜ。これ、私が口を開けていたらそのまま食べさせてくれるんじゃなかろうか。しかし、アジョシは「よし、食え」みたいなことを言って去っていきました。アジョシの優しさがまぜまぜされたユッケビビンパは絶品でありました。カムサムニダ。そのあとはNIKE江南店に行き、店限定のワッペンを選んでオリジナルの帽子を作りました。夏なので白色をチョイスしたのですが、かぶってみるとまるで喜び組の応援団のよう。白い帽子って難しいのですね。そしてその帽子をかぶって向かったのは美容クリニック。本当は色々とトライしたかったのですが、帰国後に撮影が控えていたのでダウンタイムがないアクアピールとLDMをお願いしました。その施術前にカウンセリングをするのですが、これがもう最高で「西山さんの顔にはニキビ跡が91個あります」「Tゾーンと頬の水分バランスが最悪です」「目のまわりの小じわがとっても問題です」と、流暢な日本語でボロカスに言われるんですよ。思春期でさえニキビに悩んだことがなかったので「91個もですか!」と驚愕してしまいました。でもまあ、気にならないからいっか。小じわだって48歳なんだからそりゃあるだろうよ。手を入れ始めたらキリがない。それでも、今回の視察で美に対する意識が変わったのは大きな収穫でした。韓国では、施術後の腫れた顔に包帯を巻いた女の子が普通に地下鉄に乗っていたり、屋台で海苔巻きを食べていたりします。隠れる必要なんてどこにもない。私には彼女たちの「綺麗になりたい」という気持ちが、とても前向きで美しいものに見えました。もちろんルッキズムという問題から切り離せないことではありますが、整形大国なんて言葉を使って鼻で笑っていた自分が恥ずかしい。ということで、その足でみんな大好きオリヤンにGO。こちらは大人気のドラッグストアです。ここでも女の子たちの「綺麗になりたい」が溢れかえっています。この女の子たちや、このあとに行った店で、月曜の夕方だというのに浴びるようにマッコリを飲んでいるサラリーマンたちを見て思ったのは、やはりその熱量。日本ではなかなか感じることができないと思いました。そしてその熱量がうまく作用したのが世界を席巻しているエンタメや美容であり、悪く作用したのが先にも書いた監督に対する誹謗中傷だったりするのだろうと。いやはや、興味深い国であります。何しろ自分のルーツでもあるのだから。これはもう少し掘り下げる価値があるなと思いました。写真は今回泊まった東横INNソウル江南のお部屋です。安心安定の日本式サービス。定宿決定です。
2026.7.27 配信
日本の女優、作家。東京都出身。
大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。
テレビドラマを始め、女優として活動。
最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。
著書に『色鉛筆専門店』『しょーとほーぷ』『ワクちん』『バンクーバーの朝日』などがある。
オフィシャルサイト→FLaMme official website