己の身体を知る│西山繭子の「女子力って何ですか?」

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西山繭子の「女子力って何ですか?」

#180

己の身体を知る

2021-10-11 13:06:00

 緊急事態宣言が解除になり10日ほどが経ちました。これまでわりかし穏やかにしていた早朝ウォーキングですが、街に人が溢れ返るようになってからというものの、道のいたるところに吐しゃ物を見かけるようになり、はたまた酔いつぶれた若者がうずくまっていたり、寝そべっていたり、倒れていたりと、土日の朝などはその数の多さに「毒ガスでもまかれたのではなかろうか」と疑うレベルです。私はこういった若者に声をかけたことが一度もないのですが、たまに「死んでいるのでは?」と心配になることがあります。でもそうかと言って声をかけて本当に死んでいたら、それこそイヤなのでやはり今後も声をかけません。私もぱーっと飲みに行きたいなという気持ちはあるのですが、この一年で完全に出不精になってしまいました。人と会うとなると化粧をしなくてはいけないし、お洒落にも気を遣わなくてはいけないし、何よりも20時にベッドに入ることができません。今月は有難いことにドラマと映画の撮影もあるので、もうしばし大人しくしようと思います。こんな健康的な生活を送っているので、ここ最近は努力の甲斐もあって、そこそこ満足のできる体型を安定して維持できるようになりました。そして、そのように体型が維持できるようになったら絶対にやりたいと思っていたことがありました。好きな人に告白?いやいや、好きな人が思いつかない。ヤンジャンのグラビア?うーん、それはやりたいけどオファーがない。ひょっとしてマジックミラー号?ああ、もはやフラームにいられない。どれもこれも不正解。私がやりたかったこと、それはワコールの3Dボディスキャナーです。
 これまでも私のワコールに対する愛はここでも何度か語ってきました。(第25回『大パンティー祭り』 第92回『睡眠科学』参照)今では下着は全てワコールになりましたが、若い頃は色んなメーカーのものをデザイン重視で購入していました。それこそ米国のヴィクトリア・シークレットの1歩歩くごとに食い込むようなパンツを我慢して履いていました。アメリカ人はこんなパンツばかり履いて、忍耐強いんだなあ。ああ、日本が戦争に負けたのも納得。ギブミーパンティー。しかしそのうち日本人の体型を熟知しているのは、やはり日本の下着メーカーであろうという結論にいたりました。それからはワコール一択。厳密に言うと、ワコール社が取り扱っているブランドですね。ちなみに同じ事務所の田中みな実さんが広告をやっているピーチ・ジョンもワコールです。そのワコールがやっている3Dボディスキャナーというのは、その名の通り3Dを使って身体のいたる箇所を採寸してくれるというものすごいマシーンなのです。しかも無料!さすがワコール!そして今回は、ここ数年の体型の変化によって所有している下着が合わなくなっているのではという不安もあったので、カウンセラーの方がチェックしてくださる『ブラ無料診断』も一緒にやってもらうことにしました。その日私を担当してくださったHさんは、はきはきとお話をしてくださる私と同年代の女性でした。私が「年齢と共に上胸がそげてきたので、このオーダーで作ったブラも合わなくなった気がするんですよね」と言うと、Hさんは「ちょっと失礼しますね」とブラの中に手を入れ、私のおっぱいをぐいっと持ち上げるとブラカップの中に綺麗に収め肩紐を調整。「まったく問題ないですよ」鏡越しにニコリと笑うHさんの横には即席ボンドガール。おお!まだまだ捨てたもんじゃない!ヤンジャンのグラビアが1歩近づきました。しかしこの後、Hさんの口からは驚愕の言葉が。「お客様の体型は筒型なんですね。これは欧米の方に多いんですけど、サイドが細くて前に出てるんです。日本人女性のほとんどが扁平型で、ワコールはそちらに合わせて作っている商品が多いので、お客様にはなかなか合わないかもしれません。なのでインポートものをお薦めします」え…、ワコールが…。合わない…?私のこれまでのワコールへの愛はいったい…。いやいやいやいや、とか何とか言っちゃって高いインポートものを売りたいだけでしょ!そうは問屋が卸しま千円。落ちてないかな百万円。しかしHさんの言う通り、インポートものを試着させてもらうとすごくしっくり。おっぱいがストレスフリーなのでありました。この日は相談だけさせていただき購入しなかったのですが、久々に女子力を肌で感じる時間を過ごすことができました。写真は3Dボディスキャナー後にもらえる採寸データです。驚くべきは両腕の長さの違い。こんなに違うとは。肩こりやら原因はたくさんありそうですが、ひとまずリーチの長さを考えると、グーの時は左。パーの時は右がいいかもしれませんね。あ、もちろんジャンケンの話ですよ。うふふ。

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2021.10.11 配信

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西山繭子さんのINFORMATION

Writer

西山繭子

日本の女優、作家。東京都出身。
大学在学中の1997年、UHA味覚糖「おさつどきっ」のCMでデビュー。
テレビドラマを始め、女優として活動。
最近は小説やテレビドラマの脚本執筆など、活動の幅を広げている。
著書に『色鉛筆専門店』『しょーとほーぷ』『ワクちん』『バンクーバーの朝日』などがある。

オフィシャルサイト→FLaMme official website